【コラム/1月25日】新年経済の課題を考える~財政頼り日本病の回復に向けて

2024年1月25日

飯倉 穣/エコノミスト

1,経済政策と膨張予算に疲れ

日本病が時折語られる。経済低調の下で、経済政策の迷走が継続している。財政出動、金融緩和、賃上げ、貯蓄を投資に、エネ価格補てん、特定産業設備投資補助金交付等々である。そして膨張予算が継続している。報道は、伝える。

「来年度予算案112兆円・過去2番目 政府決定 社保・国債費、最大の58% 実質は増額、予備費圧縮」(日経23年12月23日)、「飛躍2024 動かす福来る日本へ 運用立国の「基盤」は私が 「貯蓄から投資」に担い手増やせ」(日経同)、「まずは経済だ・・新たな経済へ移行する大きなチャンスをつかみ取るための本丸は物価上昇を上回る賃上げの実現だ・・(首相会見の要旨)」(日経同1月5日)

近年の財政出動は、エネ価格等物価関連補助金等で必要性疑問(思い付き)の予算措置や、個々人が生計を立てる基本を逸脱する「無料化打ち上げ・誰かの負担」というばら撒き的予算も目立つ。それを財政赤字継続、国債増発、日銀国債購入が支える。そこに日本病の言葉がある。平成・令和時代(特に2010年代以降)の経済・財政政策は、日本経済の成長や健全化をけん引しただろうか。日本経済の病因と課題を考える。


2,日本病の現象~症状は

日本病とは、バブル崩壊以降の日本経済の低迷と根拠希薄な経済政策の挫折の姿である。経済関係の指標を見れば、一目瞭然である。幾つかの指標を見てみよう。例えばGDPの伸び率(~22年、暦年平均伸び率)は、過去10年間(12年から)で名目1.1%、実質0.5%(同30年間:92年から名目0.4%、実質0.7%)である。経済は、高水準ながら、ほぼ横ばいで推移した。橋本6大改革の後、小泉改革「改革なくして成長なし」やアベノミクス(三本の矢)も喧伝されたが徒労に終わった。

日本の一人当たりGDP(年度)は、各国比較で過去円高やバブル経済の名残(400万円/人)で先進国中第1位の年(ドル換算:95年、1ドル94円)もあった。今(22年)は、G7で最下位となった。

大きな変化は、財政赤字、政府債務残高にある。財政赤字は、過去29年連続公債依存度20%超、多くの年次は30%超である(GDP比財政赤字5~10%で推移:24年度5.7%)。

毎年30兆円の借り入れで経済水準を押し上げ、喘ぎ喘ぎの循環である。好循環か悪循環か。その結果普通国債残高は、90年度末166兆円、そして24年度末見込み1,105兆円(GDP比180%)である。

これらの経済・財政指標を見れば、日本病と揶揄する段階を超え、瀕死の状態である。それでもこの状況を深刻に憂える国民は如何程であろうか。経済人も財政依存経済に浸かり、言葉や行動に危機感を感じさせない。今となっても経済成長は政府の仕事と政府施策・予算を要求する。そして財政再建・健全化は、成長頼りが続く。これが日本病である。

OECDは今年も財政収支・債務問題を危惧し、段階的な消費税率の引上げの必要性を言明した(日本記者クラブ会見1月11日)。

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