【特集2】電事法改正で用途が拡大 広がるスマメデータの利活用

2024年2月3日

【GDBL】

一般送配電事業者が国内8000万軒にも及ぶ全需要家を対象に導入を進めてきたスマートメーター。全国で約5000万軒の家庭向けを含め、ほぼ導入が終わりつつある。整備してきたこのインフラとそこから生み出されるデータを、電力使用量の計測以外で有効に活用できないか―。そんな思いの下、東京電力パワーグリッド、中部電力、関西電力送配電、NTTデータの4社が共同で出資し、2022年4月に設立したのがGDBL社だ。

前身のグリッドデータバンク・ラボ有限事業責任組合が行ってきた「スマメデータ活用」の本格展開に向けて立ち上げた株式会社でもある。

「スマメから読み取れるデータは計器ID(位置情報)や1日48コマで区分する30分間隔の電力使用量情報だ。スマメ導入以前は、月単位による総電力消費量しか把握できなかったが、30分値となったことで情報の精度が高まった」。同社の芦谷武彦データ活用事業部長はこう話す。

例えば世の中には、住民票を移さないまま生活するケースもある。住民基本台帳では把握できないことなど、スマメデータで経済活動をよりリアルな傾向として把握できる。

昼間の在宅傾向、通勤・通学から帰宅ピークの時間帯といった世帯活動、過去データと比較することで生活パターンの変化や異常を検知するなど、活用方策は多岐にわたる。これらは、統計データとしても活用できる。近年、社会問題となっている空き家対策にも有効だ。

異業種データと組み合わせることも可能だ

こうした展開は、電気事業法の改正により、電力事業用途以外にもデータを利用することが可能となったことが背景にある。需要家の同意を前提とし、国の認定を受けた一般社団法人電力データ管理協会がこれらデータの提供・利用を厳格に管理する。この仕組みの下で、電力データを需要家の許諾を得た第三者へ提供したり、統計加工されたデータを利用できるようになった。


自治体向けにデータ活用 脱炭素へ行動変容促す

同社では今、個人や世帯、あるいは自治体・法人などに向けて「ZeroCa」という脱炭素の活動を支援するサービスを打ち出している。スマメデータは電気の使い方や生活者の環境活動の可視化が可能になる。例えば節電要請を行った断面で、X地区とY地区では、そこに住む人たちの行動にどんな差が生じたか。比較することで住民の行動変容を促し、結果的に脱炭素につなげるといった利用が考えられる。

スマメデータの扱いは、まだ緒に就いたばかり。とりわけ家庭用の多様なサービスの創出や社会貢献に資する取り組みがこれから本格化していく。