【書評/1月31日】従来の芭蕉論を超えた新人物像を提示する力作

2024年1月31日

江戸時代前期、それまで言葉遊びに過ぎなかった俳諧を、人生観や哲学を十七音で表現する文学へと昇華させ、俳句の源流を確立した“俳聖”松尾芭蕉。日本各地を旅し多くの作品を残した。中でも、晩年に奥州、北陸道を巡り記した紀行文『おくのほそ道』はあまりにも有名だ。それだけに、各時代の研究者によって研究しつくされてきた同作だが、昨年11月、これまでの芭蕉研究に一石を投じる力作、「もう一人の芭蕉――句分百韻でた
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