【九州電力 池辺社長】多様な強み・能力生かし 事業環境が変化する中、 持続的な成長へ

2024年7月1日

2023年度の連結業績は22年度の赤字から一転し、過去最高益を記録した。

電力供給の安定化や再エネの主力電源化に取り組みつつ、新たな価値創造にも挑戦していく構えだ。

【インタビュー:池辺和弘/九州電力社長】

いけべ・かずひろ 1981年東京大学法学部卒、九州電力入社。2017年取締役常務執行役員コーポレート戦略部門長、18年6月から代表取締役社長執行役員。20年3月から電気事業連合会会長を兼務し、24年3月に退任。

井関 電気事業連合会会長を退任し、4月からは社長業に専念されています。

池辺 電事連会長を務めた4年間は、さまざまな電気事業制度の変更がありましたし、資源高騰という難局に直面したこともあり、勉強の毎日でした。これほど勉強したのは、米国留学した30歳前後の2年間以来だったというくらいです。記者会見を通じて記者の皆さんとコミュニケーションを取ることも、大事な仕事の一つでした。

電事連会長としての発言は、影響が大きいだけに緊張の連続で、何をどうお話すれば理解していただけるのか試行錯誤するなど、大変ではありましたが有意義な経験となりました。4月から社長業に専念と言いましても、もともと各部門の責任者に任せる経営スタイルなので、実は、経営への関与の仕方はそれほど変わっていません。

井関 2024年3月期決算では、売上高が4期ぶりの減収となった半面、経常・最終損益ともに2期ぶりに黒字化しました。

池辺 23年度の連結業績は、経常利益2381億円と過去最高を計上することができ、非常に良い結果になったと受け止めています。燃料価格の下落により、燃料費調整(燃調)の期ずれ影響が前年度の差損から差益に転じたことが大きな要因ではありますが、原子力発電所が4基体制に復帰できたことも収支改善に大きく寄与しました。

原子力の安定稼働は、他の発電設備と同様、社員が日ごろからきちんとメンテナンスし、安定稼働・安定供給に万全を心がけているからこそ実現できます。こうした原子力をはじめとする電力の安定供給と、九電グループ一体となった収益拡大、経営効率化に、努力してくれた社員に大変感謝しています。 

井関 来期は2期ぶりの増収と2期連続の黒字見込みです。 池辺 2期ぶりの増収を見込む一方で、燃料価格下落による燃調の期ずれ差益の縮小や、卸電力市場価格の上昇による購入電力料の増加などにより、経常利益は1100億円程度にとどまり23年度を下回る見通しです。とはいえ、これは当社が25年度の財務目標として掲げる経常利益1250億円以上を十分に狙える水準です。引き続き、電力の安定供給と経営全般にわたる効率化の取り組みなどにより、グループ一体で目標の達成を目指していきます。

1 2 3 4