【特集2】ごみ発電で地産地消電力を拡大 全国の循環型社会づくりを後押し

2024年7月3日

【日鉄エンジニアリング】

地域で発生したごみ処理の余熱で生み出した電力を域内で有効活用する―。そうしたごみ発電の「地産地消」の取り組みで存在感を高めているプラントメーカーが日鉄エンジニアリングだ。全国で循環型社会づくりを進める機運が高まる中で同社は、プラント操業で培った知見を生かした地産池消モデルを着々と広げている。

広島県の2市1町(東広島市と竹原市、大崎上島町)で発生する多様な一般廃棄物を処理し最大限に資源化するごみ発電施設が、東広島市西条町にある。同社が操業を受託している「広島中央エコパーク」(事業主体・広島中央環境衛生組合)だ。

東広島市の「広島中央エコパーク」

同社は今春、エコパークで発電した電力を竹原市庁舎や大崎上島環境センターなどの施設に供給する契約を、竹原市と施設管理者の広島中央環境衛生組合との間で締結。4月にこうした施設への電力供給を始めた。

これまでにもエコパークの電力を、地産地消電力として東広島市に供給。ごみ処理由来の電力を同社が買い取り、ごみを受け入れる自治体の施設に提供する仕組みを回してきた。

今回の契約でエコパークにごみを搬入する全ての自治体に電力を供給する体制が整い、電力の供給先は合計30施設、契約電力は4349kWに達した。CO2排出量の削減効果は年間約5000tで、一般家庭1800世帯分の排出量に相当する見込みだ。「最終処分量ゼロ」に向けてエコパークは、1日最大285tのごみを処理可能だ。さらにごみを1700℃以上の高温で溶かす低炭素型のガス化溶融炉を採用しており、残渣ごみを溶融してスラグやメタルに再資源化。埋め立てされるごみの削減に貢献している。


プラント操業との一体化 基幹電源として普及へ

自治体が注目するごみ発電の魅力は、環境面だけではない。再生可能エネルギーでありながら天候や時間帯に左右されないという「安定性」を評価する地域も増える傾向にある。

同社はこうした動きを踏まえ、ごみ処理施設の設計・建設・操業と電力供給を一体で行う事業者として、電力を地産地消する分野に参入。第1弾として2021年2月から、千葉県君津市で電力供給に乗り出した。その後も供給先を、さいたま市や東京都東久留米市の施設などに拡大。3月には、福岡県北九州市を筆頭株主とする地域新電力の北九州パワーへ出資。同社として初めて地域新電力へ参画した。多彩な再エネ電源と蓄電池を組み合わせて最適に運用するためのエネルギーマネジメントシステムを開発し、北九州パワーの取り組みに生かす予定だ。

日鉄エンジニアリング電力ソリューション部電力営業室の土屋一子シニアマネジャーは、「ごみ発電は地域のベースロード(基幹)電源としての役割を担える。そこに太陽光などの脱炭素電源や電力市場も組み合わせ、ごみ発電を中心とした地域循環共生圏の創造に貢献したい」と意欲を示した。プラント操業と電力の地産地消を一体化する挑戦の舞台が広がりそうだ。