復旧・復興に全力で取り組んだ1年 来年も地域貢献・支援活動に尽力

2024年12月10日

【北陸電力】

未曾有の大災害、直後の停電復旧から現在まで地域に寄り添い「こころをひとつに」復興を支援。

ボランティア、バイオマス混焼、廃瓦の活用、応援メッセージなど幅広い活動に取り組んでいる。

今年1月に大規模地震、さらに9月の記録的豪雨と2度の大災害に見舞われた石川県能登地方。この1年間、北陸電力グループは地域の復旧・復興活動に尽力してきた。その取り組みを紹介する。

11月11日のボランティア活動に勤しむ


災害ボランティアに参加 移住支援メニューを検討

度重なる災害により甚大な被害のあった能登地域では、冬本番前の復旧が喫緊の課題となっており、とりわけ各自治体は不足する平日のボランティア支援を呼びかけている。

同社グループの社員からは、発災当初から「地域の一員として被災地の力になりたい」との声が多数あり、これまでに、地震により大きな被害を受けた志賀町などへ延べ520人、その後の豪雨被害が大きかった奥能登地域には延べ350人を災害ボランティアとして派遣。社員らが日々、泥かきなどのボランティア活動に取り組んできた。

11月11日には、国際環境経済研究所の竹内純子理事と、ネクストエナジー・アンド・リソースの伊藤敦社長と同社の社員ら総勢40人が、輪島市内で側溝にたまった泥出し作業に汗を流した。同日ボランティア活動に参加した北陸電力の松田光司社長は、「被災地の厳しい状況を広く伝えていくとともに、地域に寄り添いながら何ができるか考えていきたい」と力強く語った。

能登半島豪雨の復旧活動の様子

復旧活動のみならず、同社は能登の復興に向けてさまざまな取り組みを進めている。地域の継続的な復興、そして移住・定住人口の増加に貢献するため、被災地へ移住した人を応援する料金プランや、新たな企業進出を促すような法人向けメニューなどを検討している。さらには、被災地の未来を担う子供たちに、勇気と元気を届ける復興イベント開催なども予定している。

震災がれきのバイオマス混焼も、復興支援の取り組みの一つ。今回の地震に伴う災害廃棄物の量は県内で332万t、うち7割の223万tを、被害が甚大だった奥能登の珠洲市、輪島市、穴水町、能登町の4市町が占めるという。

膨大な災害廃棄物の処理は社会課題であり、北陸電力では家屋などの解体がれきから生じる木くずを木質チップに加工したものを、七尾大⽥⽕⼒発電所2号機のバイオマス燃料として混焼する計画を打ち出している。豪雨により発生した流木の処理も同様に大きな課題であり、震災がれきと併せて混焼計画を進めている。

廃瓦の復興工事への活用も試みている。地域の社会資本整備を支援する「北陸地域づくり協会」が、震災を契機に防災・減災・復興をテーマに「北陸地域の活性化」に関する研究助成事業を公募。北陸電力が石川工業高等専門学校と共同で応募した「能登半島地震の復興工事における廃瓦の地域コンクリートへの活用研究」が採択された。

能登半島豪雨で土砂に埋まった国道

県内では、古くから「能登瓦」が製造・利用されてきた。能登の水田の土を使い、黒色で厚みがあり、風や雪に強いこの能登瓦は、奥能登の美しい景観を形作る大切な要素だ。しかし今年元日の地震で、相当量の廃瓦が発生した。北陸電力がこれまで火力発電所から生じた石炭灰をコンクリートなどに再利用してきた知見を生かし、廃瓦をコンクリート骨材としてリサイクルし、復興工事に活用する計画であり、廃棄物処理の課題解決をしながら、地域の復興支援の一助となることが期待されている。

そして、電柱広告による復興メッセージの掲示も支援の一環だ。被災者に元気を届ける取り組みとして、同グループの復旧・復興スローガンである「こころをひとつに能登」の電柱広告を輪島市内に設置した。このスローガンは1月10日、松田社長、北陸電力送配電の棚田一也社長がグループの全社員に向けて発信したものだ。

元日の地震発生により、復旧作業や後方支援などの指揮に当たっていたため、年頭のあいさつすらままならなかった両社長にとって、今年最初のメッセージとなった。このスローガンには、地域、協力会社、復興を願う全ての人々と心を一つにして、グループ一丸で災害対応に当たるという思いが込められている。

同グループで電柱広告事業を担当する北配電業は、復興応援プロジェクト「石川応援キャンペーン」として能登半島地震の被災地復興を応援するメッセージ看板のオーナーを募集。広告料の一部(千円/本)を県に寄付する取り組みを行っている。


グループのDNAを再認識 来年も地域の発展に全力

北陸電力グループにとって、能登半島地震、奥能登豪雨という未曽有の災害が重なったことで、今年は電気の安定供給という使命、そして地域とともに歩んできたグループのDNAを再認識し、今後のあるべき姿をあらためて見つめ直した1年となった。「こころをひとつに能登」の復旧・復興スローガンに込めた思いを胸に、活気あふれる地域の再生、さらなる発展に貢献するため、来年も全力で前進していく。