SDGsに逆行の太陽光乱開発 笠間市で自然破壊の実態

2020年10月5日

茨城県笠間市で深刻な自然破壊を引き起こしている山間地メガソーラーの乱開発。地元の地権者や市政関係者、反対住民、発電事業者らの話を聞くため、問題の現場を訪れた。

崩壊部分は2次災害の可能性も(本戸不動坂地区)

北関東自動車道を栃木から茨城方面に向けて走ると、友部インターチェンジ手前の左手に、山の斜面に太陽光パネルが敷き詰められた光景が見えてくる。その山頂部は土砂が崩れ、茶色の地面がむき出しに―。ここが、笠間市本戸不動坂地区のメガソーラーだ。

運営するのは、地元ソーラー事業者のフレックスホールディングス。A社が開発した事業を引き継いだのだ。が、案件が悪かった。発電能力増強のため木々を伐採した敷地上部の斜面は、のり面保護などの対策が取られていない野ざらし状態。それが昨年秋の大型台風の影響で崩落した。土砂はパネルのない斜面の木々をなぎ倒し、下にある田んぼを埋め尽くした。

ややこしいことに、フ社が発電所を購入した際、この敷地上部の権利は引き継がれないままA社が倒産。放棄地となった同地は、崩壊から1年を経た今も雨が降るたびに土砂を垂れ流し、近隣の田んぼや道路に影響を与えている。

市は崩落部分の緑化を行う方針だが、その費用はA社に同地を提供した地主が負担することになるという。崩落現場を目にした地元の土木関係者は「大きな会社でなければ対応できない。土は栄養を含まない真砂土だろうから、相当の額がかかるのでは」と話しており、地主に大きな経済的負担が掛かることが予想される。この崩落事故についてフ社は、「A社と訴訟中のためコメントは控えたい」と回答している。

一方で置き去りにされているのが、被害のあった田んぼの地権者だ。「事故後、A社側からは何の謝罪もなかったようだ」と、地権者を良く知る住民は語る。さらに田んぼの補償責任について、市は「土地を貸与した地主と田んぼの所有者が費用負担する」と説明。このままだとA社は何の責任も負わず、地権者が泣き寝入りせざるを得ない恐れもある。

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