「DX注目企業2025」に選定 グループ一丸で企業変革を推進
【九州電力】
経済産業省は4月、「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2025」を選定した。LNG取引・配船業務の最適化の取り組みが評価されたことで、九州電力は電力会社で唯一、DX銘柄に次ぐ「DX注目銘柄2025」に選定された。経産省は年に一度、東京証券取引所、情報処理推進機構(IPA)と共同で、優れたデジタル活用により企業価値向上が実現した上場企業を選定している。

経産省のDX調査で選定 企業価値への貢献を評価
企業がDX銘柄の選定を受けるにはまず、経産省による「DX認定」を取得していることが前提となる。これは、対象となる企業にDXの基盤が整っていること、また、同省が策定した指針「デジタルガバナンス・コード」に準拠してDXを推し進めていることを認定するものだ。
DX認定取得済の上場企業がDX銘柄選定にエントリーする場合、経産省はアンケート調査を行う。デジタルガバナンス・コードに沿い、デジタル技術の利活用が企業の持続的成長と競争力向上に貢献しているかを審査するためだ。選定の有無に関わらず回答へのフィードバックが行われるため、自社の現時点での立ち位置を確認する目的で調査を活用することも可能だ。
25年度は31社が「DX銘柄」、そのうち2社は特に優れた取り組みを行ったとして「DXグランプリ」に選定された。そして、DX銘柄に選定されていない企業の中から注目すべき施策を実行した企業として、九州電力を含めた19社が選定された。
九電グループは「DXロードマップ(基本計画)」の中で、DXの本質を企業変革と捉え、デジタル技術やデータを活用した自社サービス、ビジネスモデル、業務プロセスの抜本的改革を図っている。5月に発表した「九電グループ経営ビジョン2035」では、ありたい姿実現に向けたグループの重点戦略六つを示し、その5番目に「企業変革をリードするDX推進」を掲げている。
近年、ニーズの多様化や労働力不足を背景にAIなどの最新技術を活用した変革がより一層求められている。「デジタル×人のチカラで新たな価値へ」というDXビジョンの下、デジタル技術を最大限活用し、生産性向上や業務プロセスの効率化・高度化・自動化に向けてチャレンジを重ねてきた同グループ。DX注目企業に選定されたことを契機に、企業変革のさらなる深化に期待が高まっている。