50年ビジョンを策定し具体策明示 顧客目線で都市ガス業界の未来像描く
業界が志を一つに 最適なソリューション提供
同時に、長期ビジョンの実現に向けた30年までの中期的な取り組みとして、①安全・安心・安定的にエネルギーを供給する、②省エネ・天然ガスシフト・ソリューションを提案する、③e―タンを中心としてCN化を加速する、④イノベーションを推進する―の4項目による「アクションプラン2030」も公表した。
①では、「ガス安全高度化計画2030」の着実な遂行を掲げ、製造段階、供給段階など5分野で同計画の実行計画に基づく対策を推進。死亡事故ゼロの実現を目指し、30年以降を見据えたさらなる保安の高度化に取り組む。また、燃料電池や停電対応型コージェネなどを普及拡大することで建物・地域のレジリエンス向上に貢献する。
②では、天然ガスへの燃料転換やガスシステムを活用した省エネにより、CO2排出量を30年度に1800万t削減する。また、顧客や地域のニーズに合わせて多様で最適なソリューションを提供するとともに地方自治体と連携し、地方創生にも貢献する。
③では、30年度にe―メタンとバイオガスによる1%供給を目指し、e―メタンの大規模製造に向けた検討を進めるとともに、国際的なCO2カウントルールの位置付けを確保する。また、e―メタンを全国大で利用可能とするため、e―メタンの環境価値を移転できる仕組みを構築する。
④ではハイブリッドサバティエ、SOEC(固体酸化物形電解セル)メタネーションなど革新的メタネーション技術に取り組み、さらなる高効率化、設備コストの低減、コンパクト化を目指す。メタネーション関連技術にとどまらず、将来のガスCN化に欠かせない水素利用やCCUSなど広範な技術領域で開発を進めていく構えだ。
日本ガス協会は、長期ビジョンの中で、都市ガス事業者が「信頼されるプロフェッショナル」「お客さま・地域に寄り添うパートナー」「発展を支えるイノベーター」へと進化し、顧客にとって、最適なソリューションを提供することこそが使命と位置付けた。全国の都市ガス事業者が志を一つにし、顧客・地域のニーズに応じた、50年の未来像の実現を目指す。
1 2