高度化する現場の安全をサポート 6種類のガスを同時に検知

2025年7月8日

【理研計器】

理研計器はこのほど、1台で最大6種類のガスを同時検知できるガス検知器「GX―6100」の販売を開始した。担当する営業技術部の安藤史織係長は「従来機種の特性を継承しながら、作業員の利便性が向上することを念頭に製品化した」とアピールする。

具体的には、作業現場で一般的に測定する可燃性ガス、酸素、硫化水素、一酸化炭素に2種類のガスを加えた最大6種類のガスを同時に検知できる。可燃性ガスに関してはppmレベルの低濃度から爆発の危険性を示す%LEL(爆発下限界)、vol%といった高濃度レンジまで、広い濃度範囲を1台でカバーすることができるようになるなど、作業現場でのガス検知をより効率的かつ確実に行える仕様になっている。

Bluetoothで緊急事態情報を共有できる


独自開発のセンサーを搭載 長寿命化し3年保証を実現

この検知を支えるのが、独自の「Rセンサ」だ。同製品では主要な可燃性ガス、酸素、硫化水素、一酸化炭素の検知に採用した。保証期間は、従来の1年から3年へと大幅に延長され、長期にわたり安心して使用できる。さらに、VOCやアンモニアを含む15種類の多彩なラインアップから、用途に合わせて最大2種類のセンサーを選択搭載できる。これにより、幅広い現場での多様なニーズに対応可能となった。

従来機種から搭載するPID(光イオン化式)センサーは、680種類のガス濃度を直読できる。2016年から労働安全衛生法で事業所規模に関わらず化学物質を取り扱う際のリスクアセスメントの実施が義務付けられている。この実施対象となる化学物資のうち約200種類を同センサーで計測できるのも特徴だ。

このほか、Bluetooth通信機能を搭載。スマートフォンと連携し、マンダウン(転倒)警報やパニック警報を遠隔で即時通知可能とした。作業者が単独行動中に倒れて動きが止まった場合でも、設定した連絡先に自動で通知され、迅速に対応できるようになる。

ガスインフラ現場では、作業の高度化が進み、測定機器にもより高い柔軟性と信頼性が求められている。1台で多様な測定に対応するGX―6100は、次世代安全管理のスタンダードとなっていくだろう。