【記者通信/1月18日】狙うは190兆円の経済効果 菅首相は施政方針で何を語る ?

2021年1月18日

1月18日に召集される通常国会で、菅義偉首相が表明する施政方針の骨子(グリーン成長戦略関係)が明らかになった。昨秋の臨時国会の冒頭で宣言した「2050年カーボンニュートラル社会の実現」に向け、地球環境対策の推進が産業構造の大転換と力強い経済成長を生み出すとして、環境投資の重要性を強調。その上で、主に次のような具体策を提示する見通しだ。

①環境投資を促進するため、過去に例のない2兆円の基金を創設し、最大10%の税額控除を行う。次世代太陽光発電、低コスト蓄電池、カーボンリサイクルといった野心的イノベーションに挑戦する企業を支援することで、最先端技術の開発・実用化を加速させる。

②水素や再生可能エネルギーの導入を拡充し、電力供給インフラとなる送電網を増強する。安全確保を最優先に原子力政策を推進し、安定的なエネルギー供給を確立する。2035年までに、新車販売で電動車100%を実現する。

③経済成長につながるカーボンプライシングに取り組んでいく。先行モデルとして脱炭素地域を創出するなど、脱炭素化に向けた取り組みを広げていく。

④240兆円の民間資金、3000兆円の海外投資を呼び込むため金融市場の枠組みをつくる。グリーン成長戦略を実現することで、50年には年190兆円規模の経済効果が見込まれる。

菅政権は、こうした数々の政策的取り組みを通じ、「世界に先駆けて、脱炭素社会を実現していく」姿勢を鮮明に打ち出す構えだ。