【記者通信/1月28日】 東ガス電力事業が大幅減益へ JEPX高騰で大打撃

2021年1月28日

東京ガスは1月28日に発表した2020年度第3四半期連結決算と通期見通しの中で、昨年12月下旬から深刻化した電力需給ひっ迫に伴う市場価格高騰の影響で、20年度通期の電力事業の営業利益が第2四半期時点(前回)の見通しに比べ125億円減少する見込みであることを明らかにした。電力事業の売上高は卸販売電力量の増加などで前回見通し比43億円増となる半面、JEPX(日本卸電力取引所)のスポット価格高騰などに伴い営業費用が167億円増えるため、トータルでは大きな損失となる見通しだ。

同社は自社電源で300万kW程度の設備を保有しており、それで賄えない時間帯は市場調達を行っている。「(スポット価格がkW時)40円程度のスパイクなら吸収できるが、今回は緊急事態宣言下での巣ごもり需要と寒気の影響で、市場調達量が大きくなってしまった。さらにkW時200円超という高騰により、残念な結果となった」(佐藤裕史財務部長)

他方で、一部の新電力が提供する市場連動型料金プランのリスクが広く認識されたことから、新規顧客獲得のチャンスにもなり得ると見ている。昨年12月末時点の電力小売り契約数は262万9000件。「巣ごもりの需要もあり、電気へのお客さまの関心が上向いている。この機を捉えていく」(早川光毅専務執行役員)として、22年度380万件の目標達成に向け、改めて意欲を見せた。

また同社は、今後の電力調達におけるリスクヘッジの選択肢として、まずは相対取引を挙げる一方、19年9月にTOCOM(東京商品取引所)で開設された電力先物取引の活用については慎重な考えを示した。先物取引を使えば、季節ごとに生じる電力不足に前もって対応することが可能だが、JEPXほど市場に厚みがなく、取引の種類が少ない点などがネックとなっている。さらに東ガスのように自社電源で賄えない時間帯だけ市場調達するスタイルでは、先物取引の量を決めにくいという事情もあるという。

今回の電力不足問題を取り上げた政府の審議会でも、先物取引の活用に関する議論は深まっていない。だが、新電力全体でのJEPX依存を改善する必要性が明らかになったことから、先物取引の活性化策も今後の論点に加える必要がありそうだ。