【速報/3月30日】東京地裁が異例の速さで「Fパワー更生開始」決定 業務継続し経営再建へ

2021年3月30日

東京地方裁判所は3月30日、新電力大手Fパワー(埼玉浩史社長兼会長)が申請していた会社更生法の適用に基づく更生手続きの開始を決定した。関係者によると、会社更生法の場合、通常は申請から開始決定まで4週間ほどの期間を要するが、今回は24日の申請からわずか6日での認可という異例の速さだ。年度末には、今冬の電力卸市場価格の高騰で経営難に陥った新電力事業者の倒産や経営再建関連の手続きが相次ぐことが予想される中、「早々に認可を決定したのではないか」と見る向きもある。

異例の速さでFパワーの会社更生開始手続きを決定した東京地裁

会社更生法は、適用を受ける企業の社会的意義や影響力を踏まえ、株主や債権者の権利を制限してでも、倒産を回避して更生させることを第一の目的にした制度。このため、開始決定前の債務(464億円=東京商工リサーチ調査)の返済は猶予され、株主の株式価値もゼロになる。更生計画を策定する更生管財人には強い権限が与えられるため、経営再建を進める上で妨げとなるようなものであれば、管財人の判断によって業務上の支払いはもとより、税金の支払いなども一定の範囲で制限することが可能になる。「日本航空をはじめ、過去に会社更生法の適用を受けた企業は全てが更生に成功している。それを考えれば、Fパワーについても必ず会社更生が実現すると考えてよい」(司法関係者)

東京地裁の決定を受け、Fパワーでは保全管理人の富永浩明弁護士が、埼玉氏や沖隆代表取締役ら経営陣に代わって、更生管財人として事実上の経営権を持ち、更生計画の策定に取り組むことになる。その際、更生管財人の指示の下で、旧経営陣の一部が再建支援者に指名される場合もある。「さまざまな憶測が飛び交っているようだが、当社の業務は従来通り行われ、お客さまに提供する電力(料金・サービスなど)の営業活動に影響が及ぶことはないと強調しておきたい。開始決定に先立つ29日には、株主を含めた債権者向けの説明会も終了した。ステークホルダーの方々には大変なご迷惑をお掛けし、申し訳ない気持ちでいっぱいだが、今のところ更生手続きの作業は順調に進んでいる。新たなスポンサーの下で、より一層充実したサービスを提供できるよう、誠心誠意、今後の経営再建に取り組んでいく」(Fパワー関係者)

Fパワーの新スポンサーは果たしてどこに?

更生管財人を中心とした会社更生計画の策定・実行期間は、概ね1年程度。その間、新たなスポンサーの選定作業を進めることになる。現在のところ、噂レベルでは大手電力会社やガス会社、新電力などの名前が挙がっているが、最終的には入札によって決定する模様。果たして、どのように更生作業が進んでいくことになるのか。電力業界初の会社更生手続きの行方が注目される。

※2010年代の主な会社更生法適用企業=日本航空(負債総額約2兆3000億円)、武富士(同4336億円、現日本保証)、エルピーダメモリ(同4800億円、現マイクロンメモリジャパン)、ウィルコム(同2060億円、現ソフトバンク連結子会社)。