【マーケット情報/6月11日】原油続伸、需要回復が加速する見通し

2021年6月14日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、主要指標が軒並み続伸。需要回復が加速するとの見方で、買いがさらに優勢となった。

移動・経済活動の規制緩和が進む欧州では、新型ウイルスのワクチン接種歴などを記載した証明書の携帯を条件に、EU加盟国間の渡航を解禁。証明書の発行は7月1日からとなっている。加えて、米国では今夏、ガソリン消費の前年比増加が見込まれており、燃料需要回復への期待感が高まっている。

また、国際エネルギー機関は、来年末には、世界の石油需要が新型ウイルス感染拡大前の水準に戻ると予測。価格に、さらなる上方圧力を加えた。

製油所の原油処理量増加も、強材料として働いた。米国では製油所の高稼働により、週間在庫統計が減少。フランスでは、Total社のGonfreville製油所が、2019年12月に発生した火災から復旧し、1年半ぶりに再稼働した。さらに、インドでは、複数の国営製油所が徐々に稼働率を引き上げている。国内の感染者数増加が減速し、ロックダウンを緩和したことが背景にある。

【6月11日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=70.91ドル(前週比1.29ドル高)、ブレント先物(ICE)=72.69ドル(前週比0.80ドル高)、オマーン先物(DME)=71.37ドル(前週比0.99ドル高)、ドバイ現物(Argus)=70.97ドル(前週比1.11ドル高)