【マーケット情報/2月18日】原油下落、イラン産原油増加の見込み

2022年2月21日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、米国原油を代表するWTI先物、および北海原油の指標となるブレント先物が下落。中東原油を代表するドバイ現物も、前週から小幅に下落した。米国とイランの核合意復帰に向けた会合に進展があり、イラン産原油の供給が増加するとの期待が高まった。

イランの核合意復帰に向けた会合は、最終段階へ。米国が対イラン経済制裁を解除し、イラン産原油の出荷が増えるとの楽観が広がり、価格の下方圧力となった。

また、米国の石油サービス会社ベーカー・ヒューズが先週発表した国内の石油掘削リグの稼働数は、前週から4基増加し、520基となった。

ただ、政情悪化にともなう供給不安は根強く、価格の高止まりが続く。ロシアは15日、演習を終えた一部軍隊をウクライナ国境から撤収させると発表。これを受け米国は、ロシアとの首脳会談を表明し、緊張緩和の見込みが原油価格の重荷となった。しかし、18日には、ロシアとウクライナは互いに攻撃を受けたと非難。ロシアのウクライナ侵攻に対する懸念が一段と強まり、米国の対ロ経済制裁、およびロシア産原油の供給減少の予測が大勢となった。

WTI先物とブレント先物は、14日時点でそれぞれ95.46ドルと96.48ドルを付け、2014年9月以来の最高価格を記録した。また、ドバイ現物は15日、92.71ドルとなり、2014年10月初頭以来の最高値となった。

【2月18日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=91.07ドル(前週比2.03ドル安)、ブレント先物(ICE)=93.54ドル(前週比0.90ドル安)、オマーン先物(DME)=90.89ドル(前週比0.42ドル高)、ドバイ現物(Argus)=90.10ドル(前週比0.04ドル安)