【特集2】ブルー水素への対応に注力 CN都市ガスでステーション運用

2022年3月18日

【三菱化工機】

ステーション整備をはじめ水素関連事業を着実に進める三菱化工機。自治体の下水インフラを活用した展開など、水素の地産地消も目指す。

水素製造技術を長年培ってきた三菱化工機は、エネルギー業界や化学プラント業界で小型から大型までの製造装置をそろえ、これまで173件の受注実績を持つ。商用水素ステーション(ST)の建設受注もオン・オフサイト含め12件に上り、国内の環境インフラ整備を着実に担っている。

そんな同社が今、注目するのが「水素の色」だ。水素・エネルギー営業部の石川尚宏部長は「今後は再エネ由来の水電解のグリーン水素や、都市ガスなど炭化水素系原料由来にCO2回収装置を付けたブルー水素でなければ時代にマッチしなくなります。早急に対応したい」と話す。水電解の技術開発と並行して、価格を抑えたブルー水素化に注力している。

足元の取り組みとしては、主力の小型オンサイト製造装置「HyGeia―A」の改良だ。水素STの利用実態に合わせ、DSS(日間起動停止)機能を開発中だ。製造時は都市ガスを900℃で水蒸気に改質するため、設備に負荷をかけない連続運転が基本だ。だが、FCVの普及はまだまだ道半ば。そんな状況に対応するのがDSSだ。「待機運転モードを搭載済みですが、STの運用実態に合わせて、運用コスト低減を目指し開発・改良しています」

供給網への参画模索 地産地消型の提案も

また、自社のCO2削減策として2月から、クレジットでオフセットしたCN都市ガスの採用を決めた。「当社の川崎製作所に導入しました。敷地内にはSTがあり、水素原料としても活用します」。年間約475tのCO2を削減する見込みで、「CNLNGバイヤーズアライアンス」にも加盟した。

水素サプライチェーンへの参画も課題だ。現在日本での大量貯蔵・輸送技術の二大潮流は、液化水素と、「SPERA水素」だ。千代田化工建設を中心に取り組む後者は、トルエンをキャリアとし、常温常圧で長距離・大量輸送が可能で、既存の石油インフラを利用可能なメリットがある。三菱化工機は、この中の脱水素装置を手掛けている実績を持つ。「つなぎではなく将来も有望なキャリア技術。サプライチェーンにどう参画するか、今後も検討する」と強調する。

地産地消型の事業提案も注力する。同社は福岡市で下水バイオガスを原料とした水素製造実証に参画した経験から、自治体向けに下水処理施設で製造した水素の地域利用を提案している。「バイオガス発電に目が行きがちですが、水素に加え都市ガス製造・導管注入、燃料電池への展開も訴求したい」

多様な切り口から水素の可能性を探る三菱化工機。市場のニーズに合致するタイミングで最適な製品を投入しようと挑戦する。

CN都市ガスを導入した川崎製作所のST