【マーケット情報/3月25日】原油急伸、需給逼迫の見込み強まる

2022年3月28日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週までの原油価格は、主要指標が軒並み急伸。需給が一段と引き締まるとの予測で、買いが優勢となった。北海原油の指標となるブレント先物は25日時点で、前週比12.72ドル上昇の120.65ドルを付けた。米国原油を代表するWTI先物、および中東原油の指標となるドバイ現物はそれぞれ、9.2ドル高の113.9ドル、5.87ドル高の112.05ドルとなった。

スロベニアやルーマニアなど、複数の欧州連合(EU)加盟国が、ロシア産原油に対する制裁強化を呼び掛けた。EU加盟国の間では、ロシアのエネルギー産業に対する制裁で意見が割れていたが、ここにきてドイツが、今年半ばまでにロシア産原油の輸入量を半減させると発表。加えて、年末までに、国内製油所をロシア依存から脱却させるとの方針を示した。

フランスのトタルエナジーズ社は、遅くとも年末までには、ロシア産原油および石油製品の輸入から撤退するとしている。日本のエネオスと出光も、ロシア産原油の新規購入を停止。需給逼迫観がさらに強まる見通しで、価格が急伸した。

また、イエメンを拠点とする武装勢力フーシが25日、サウジアラビアの石油施設をミサイルで攻撃。同国のエネルギー施設は20日にもミサイル攻撃を受けている。供給不安に対する懸念が広がり、価格にさらなる上方圧力を加えた。黒海ターミナルが台風で損傷し、23日から一時的に出荷が停止したことも、需給逼迫観を強めた。その後、輸出は再開したとみられるものの、復旧時期については不透明な状態だ。

【3月25日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=113.90ドル(前週比9.20ドル高)、ブレント先物(ICE)=120.65ドル(前週比12.72ドル高)、オマーン先物(DME)=112.29ドル(前週比5.64ドル高)、ドバイ現物(Argus)=112.05ドル(前週比5.87ドル高)