【マーケット情報/4月1日】原油反落、需給緩和観が台頭

2022年4月4日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、主要指標が軒並み急落。需給緩和観を受けて売りが優勢に転じ、価格が反落した。

米国原油を代表するWTI先物は1日時点で99.27ドルとなり、3月中旬以来初めて100ドル台を下回った。北海原油の指標となるブレント先物と中東原油を代表するドバイ現物も、それぞれ104.39ドルと101.18ドルを付け、3月中旬以来の最低となった。

米国は、今後6カ月に渡り、1億8,000万バレルの戦略備蓄を放出する方針。また、国際エネルギー機関の加盟国も1日、戦略備蓄の追加放出で合意。供給増加の予測が広がり、価格に対する下方圧力となった。

需要後退の観測も、売りを強める要因となっている。中国は新型コロナウイルスの感染再拡大を背景に、上海でロックダウンを導入。経済活動の減速と、燃料など石油需要が後退するとの見通しが強まった。

一方、OPECプラスは、5月の追加生産を当初の計画通り日量43万2,000バレルとすることで合意。増産幅の拡大を求められていたものの、原油価格の高騰は政情不安によるもので、実際に供給が逼迫しているわけではないと主張した。ただ、価格の上げ要因にはならなかった。

【4月1日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=99.27ドル(前週比14.63ドル安)、ブレント先物(ICE)=104.39ドル(前週比16.26ドル安)、オマーン先物(DME)=101.18ドル(前週比11.11ドル安)、ドバイ現物(Argus)=101.18ドル(前週比10.87ドル安)