【コラム/4月8日】ポストFIT時代における太陽光発電ビジネスの展望

2022年4月8日

渡邊開也/リニューアブル・ジャパン株式会社 社長室長

先月、3月16日から18日まで東京ビッグサイトにてPV EXPOが開催された。コロナ禍でまん延防止等重点措置の実施期間中であるにもかかわらず、感染予防対策(受付の自動登録等)が施され、多くの方が来場した印象である。
 PV EXPOの2日目の3月17日のお昼の時間から弊社代表を務める眞邉勝仁がREASP(リアスプ:一般社団法人再生可能エネルギー長期安定電源推進協会)の代表理事として「ポストFIT時代における太陽光発電ビジネスの展望」と題して基調講演を行った。事前のWEB予約では満員御礼状態で、主催者側が直前に受付枠を増やしたようであったことからも(私も恥ずかしながら予約できずに直前に再度WEBアクセスしたら空席ありになって予約した)、表題に対する業界関係者の関心が高いテーマであったのではないだろうか。今回はこの講演でREASP代表理事として眞邉がお伝えしたかったことを聴講した者として改めて記したいと思う。

 講演の中でポイントとして伝えたかったことは次の2つである。①Non-FITのマーケットは確実に拡大する、②ただ徐々に、そして指数関数的に拡大する、ということである。

では、2021年はNon-Fitは進んでいたのだろうか?恐らく、総論としてはいずれそちらの方向に向かっていくのだろう、つまり「①Non-FITのマーケットは確実に拡大する」と思っていても、周囲を見渡すとなかなか実現していない、「②徐々に、そして指数関数的に拡大する」の「徐々に」の部分に対しても余り実感がないなあというのが一般的な見方ではないだろうか?

ではその要因は具体的に何なのか?ということで5つの要因を挙げていた。

  1点目はコロナ禍においてパネルや架台等の部材コストが上昇したことだ。FIT単価が年々下がっていく中で部材コストが逆に上昇するということは、事業採算性が悪化することを意味する。また講演した先月には顕著になっていなかったが、最近の急激な円安傾向はたとえドルベースでのコストが落ち着いたとしても円ベースでは悪化することを意味する。2点目はNon-Fitはスタートしたばかりの新しい仕組みであり、開発リスクをどうとるかということを試行錯誤している段階であるということ。3点目は系統・許認可等の事業者サイドがコントロールできない問題があること。4点目は金融機関がデッドサイドとしてNon-Fitの案件に取り組むようになるには事業者サイドに比べてタイムラグがあるということ。5点目は需要家の迷いがあるということである。

 ただし、その現状を悲観するのではなく、徐々に、そして指数関数的に拡大することを念頭におくべきであるとのことであった。なぜなら、第6次エネルギー基本計画では2030年度の再エネ比率は36~38%であり、その主力は太陽光(14~16%)と風力(5%)である。2019年度の太陽光発電導入量実績は55.6GWであるが、2030年度の太陽光発電導入目標(野心的水準)は117.6GWと約2倍、61.8GWの成長余地があることになる。仮に1MW=1億円の市場とするならば、6兆円のマーケットが今後約10年間で創出されることになるのである。その中で事業者として努力すべきことは、コストの削減、土地の確保、事業モデルの工夫であり、事業者では難しいことは、系統、許認可、土地利用の拡大ということであった。

 繰り返しになるが、Non-Fitの時代はまだ実感はないかもしれないが、どこかのタイミングでブレイクスルーが起こり、そこから指数関数的に拡大する6兆円市場なのである。その遠い先には、2050年のカーボンニュートラルの実現があるのだが、それはゴールではなく通過点である。その実現に向けて「信じること、諦めないこと」というのが何より大切なのである。