初の全国大会に約170人が参加 再エネ乱開発防止へ「法規制を」
【全国再エネ問題連絡会】
メガソーラーや大規模風力発電設置工事に伴う環境破壊に反対する全国ネットワーク「全国再エネ問題連絡会」が、6月4日に初の全国大会を都内で開き、約170人が参加した。大会では「既に取り返しのつかない乱開発は、全国各地で起こっている。国民が一致団結し、これらの問題を一日も早く解決しなければならない」と表明。政府に対し、問題解決に向けた法整備を訴えた。
昨年7月発足の同会には、全国都道府県から約40団体が参加。第一部となるパネルディスカッションには、衆議院議員の福島伸享氏や社会保障経済研究所代表の石川和男氏、環境エネルギー政策研究所の山下紀明主任研究員らが出席し、多発する太陽光発電・風力発電のトラブルの原因について議論を交わした。
討論の中で同会の山口雅之共同代表が、山下氏に「同研究所の飯田哲也所長が、森林を大規模に破壊するメガソーラー・風力発電建設に反対していると聞くが、研究所の公式な見解とみてよいか」と質問。山下氏は「(研究所として)大規模に開発しているメガソーラーを積極的に推進してきたことは一回もないし、これからもないだろう」と回答した。これを受け、山口氏は同研究所に対し、連絡会への協力を呼び掛けた。

宇久島のメガソーラー事業 佐々木氏が不備を訴える
第二部では、全国各地の再エネトラブルについて、住民団体が現状を発表。長崎県「宇久島の生活を守る会」の会長を務める佐々木浄榮氏は、佐世保市の宇久島全体で行うメガソーラー発電事業について説明した。
この事業は島の4分の1、720haの用地に太陽光パネル約165万枚を設置。完成すれば48万kWの発電性能を持つ国内最大規模のメガソーラー計画だ。佐々木氏は、住民に説明なく乱開発が進む現状を批判。「事業者は720haの用地を準備できていないにもかかわらず、48万kWの事業を掲げ、単純に1・5倍して必要面積を割り出した。とりあえず1円でも高い間に認定だけ取って後から変更すればいい、という考えが見て取れる」と、固定価格買い取り制度(FIT)の点から事業の不備を訴えた。
今回の全国大会では、自民党の古屋圭司政調会長代行らもビデオメッセージで参加した。古屋議員は「真の地産地消・地域共生型エネルギーシステムを構築する議員連盟」の会長として「私たちは自然を守り、国土を守り、再エネの健全な活用を目指していく」と表明。太陽光パネル事業による乱開発に警鐘を鳴らしている。