【マーケット情報/7月8日】原油下落、需給緩和感が台頭

2022年7月11日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、主要指標が軒並み下落。供給増加および経済減速の見込みで、需給緩和感が台頭した。

OPECプラスの6月産油量は、前月から大幅に増加。日量73万バレル増で日量3,826万バレルとなり、2020年8月以来の増加幅となった。当初の目標を下回ったものの、価格に下方圧力を加えた。さらに、ノルウェーEquinorが複数の油田で生産を再開。政府の介入で、労働者のストライキが収束した。続いていた場合、ノルウェー国内の石油ガス生産のうち40%が停止する可能性があった。

また、米国では、6月の製造業指数が過去2年で最低を記録。5月の消費指数も減速を示した。欧州でも、6月の製造業指数が低下しており、経済の冷え込みで、石油需要が弱まるとの見方が強まった。

一方、中国需要は回復の兆しを見せている。加えて、ロシアが、カザフスタン産原油の主要輸出港であるCPCターミナルの操業を、石油漏洩時の対策に不備があったとして一カ月停止するよう命令。ただ、価格の強材料とはならなかった。

【7月8日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=104.79ドル(前週比3.64ドル安)、ブレント先物(ICE)=107.02ドル(前週比4.61ドル安)、オマーン先物(DME)=102.12ドル(前週比4.28ドル安)、ドバイ現物(Argus)=103.07ドル(前週比2.73ドル安)