【サイサン 川本社長】総合エネルギー企業として地域や海外に注力 グループの理念を追求

2022年8月1日

2003年策定の「ガスワン憲章」に記載する「お客さまにとって最も身近なホーム・エネルギーパートナー」。そんなガスワングループの理念を追求するため、アジア太平洋地域で総合エネルギーリーディング企業を目指す。

【インタビュー:川本武彦/サイサン社長】

井関 まずはLPガス事業の現況からお聞きします。このところの燃料価格の高騰でサウジアラビアでの船積み価格(CP)は5月に850ドルを付けました。その後は6月750ドル、7月725ドルと下落に転じましたが、円安もあり足元の収支は厳しいのではないかと推測します。

川本 CPそのものは2012年3月に1230ドルの値を付けたことがあります。しかし当時は1ドル80円を切っていました。7月分は725ドルまでは落ちましたが、円相場で見ると1ドル130円を超えています。円安が進み高値で推移しているので、厳しい環境にあるのは間違いありません。LPガス業界は依然として競争も激しいため、1000社近くある卸先の販売店さまには状況を説明し卸価格の改定にご理解をいただいているところです。

井関 末端価格も上がっています。

川本 調達価格の高騰だけでなく、物流費や燃料費も高騰しています。社内的には業務効率化、経費削減を並行して進めています。一方で、需要も減退しています。人口の減少が大きな要因ですが、お客さまには都市ガスやオール電化という選択肢もあります。LPガス需要は都心部より郊外周辺部にあり、そうした周辺部ほど人口減が激しい。需要減退の中での事業の維持は年々厳しさを増しています。

井関 販売事業者の集約化などが進みつつあるようですね。

川本 見方を変えれば、ガスワングループに入って一緒にやっていこうという事業者が増えており、そこはある意味ビジネスチャンスと捉えています。グループに入ることでコールセンターなどわれわれのインフラを活用して、コストダウンのほか、電気や水の販売も手掛けることで業績を向上してもらいたいと考えています。

井関 加入する事業者はどのくらいのペースで増えていますか。

川本 毎年10社ほどの販売事業者がグループに加入しています。この5年で11府県に進出して、現在は北海道から九州まで32都道府県で事業を行っています。ガスワングループは現在、80社あり、そのLPガス顧客総数はおよそ40万件になります。このほか、都市ガス事業としては、常磐共同ガス(福島県いわき市)、鬼怒川ガス(栃木県日光市)、栃木ガス(栃木県栃木市)、伊奈都市ガス(埼玉県伊奈町)、熱海ガス(静岡県熱海市)の5社を運営しています。

かわもと・たけひこ
1964年埼玉県出身、88年玉川大学工学部卒、矢崎総業入社。95年サイサン入社。会長室、経営企画室勤務を経て98年取締役副社長。2001年1月から現職。

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