【マーケット情報/7月29日】原油上昇、品薄感が支え

2022年8月1日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、主要指標が軒並み上昇。特に、北海原油の指標となるブレント先物は前週比6.81ドル高の急伸となった。供給不足感が、経済減速にともなう需要後退の見込みを上回った。

OPECプラスの6月生産は、目標を日量284万バレル下回ったとの情報。経済制裁を受けてのロシア産減少に加え、過少投資やインフラ問題などが原因で一部加盟国の増産が追い付いておらず、目標が未達となった。3日に、9月の生産計画を話し合う予定となっているが、現時点では、欧米の要請に応えてさらなる増産を図るかは不透明だ。

米国では、原油の週間在庫が減少。ガソリン在庫も、需要回復を背景に減少している。また、同国における5月の産油量は前月比で減少し、2月以来の最低を記録した。

一方、米国の連邦準備制度理事会は、金利をさらに引き上げ。 同国の経済が一段と冷え込むとの見方が広がった。また、国際通貨基金は今年の経済成長予測を下方修正。ロシアのウクライナ侵攻と物価の高騰で、欧米の経済がさらに減速するとの見通しを示した。石油需要後退の予想が強まるも、価格上昇を抑制するには至らなかった。

【7月29日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=98.62ドル(前週比3.92ドル高)、ブレント先物(ICE)=110.01ドル(前週比6.81ドル高)、オマーン先物(DME)=104.96ドル(前週比2.10ドル高)、ドバイ現物(Argus)=106.24ドル(前週比3.44ドル高)