【マーケット情報/8月26日】原油上昇、供給減見通しが支え
【アーガスメディア=週刊原油概況】
先週の原油価格は、主要指標が軒並み上昇。サウジアラビアが減産を示唆したことで、需給が引き締まった。
サウジアラビア石油相が、先物市場の流動性が低く、現物市場と乖離していると発言。また、ボラティリティも大きいため、市場の安定化を図るべく、OPECプラスが供給を引き締める可能性を示唆した。
また、カスピ海パイプライン・コンソーシアム(CPC)輸出港では、一部設備に損傷が見つかり、修繕開始から最低1カ月の稼働率低下が見込まれている。CPC輸出港はカザフスタン産原油の主な出荷元となっており、同原油の供給が減少する見通し。ただ、カザフスタンの生産は定修等で既に減っており、影響は限定的との見方もある。
需要面では、16日までの一週間におけるカナダの製油所稼働率が上昇。西部では2018年以来の最高を記録した。さらに、アジア太平洋地域における国際便の乗客数は7月、新型コロナウイルス感染拡大前の2020年以来初めて1,000万人を上回った。日本も9月7日から感染対策の入国規制を一段と緩和する方針。需要増加の見通しが、価格に上方圧力を加えた。
一方、米連邦準備理事会のパウエル議長は、インフレを抑え込むため、引き続き金利を引き上げると発言。経済の減速と、それにともなう石油需要後退の予測が強まった。ただ、価格の下方圧力とはならなかった。
【8月26日現在の原油相場(原油価格($/bl))】
WTI先物(NYMEX)=93.06ドル(前週比2.29ドル高)、ブレント先物(ICE)=100.99ドル(前週比4.27ドル高)、オマーン先物(DME)=99.52ドル(前週比4.50ドル高)、ドバイ現物(Argus)=99.10ドル(前週比4.79ドル高)