【関西電力 森社長】グループの総力を結集し ゼロカーボン社会に挑戦 新たな時代を切り拓く
化石燃料の高騰や需給ひっ迫の懸念など、さまざまなリスクが顕在化する中で社長に就任した。グループの力を結集して課題に立ち向かい、持続的な成長への道を切り拓く。
【インタビュー:森望/関西電力社長】
志賀 指名委員会に選任され、6月に社長に就任しました。突然のことだったと思いますが、どのように受け止め、また、榊原定征会長からはどのような言葉があったのでしょうか。
森 社長就任の打診があったのは、4月末の記者会見の直前のことでしたので、あまりに突然のことに驚きもあり、10秒ほど間を置いて「分かりました」と返しました。当社グループは、新型コロナウイルス禍の長期化や国際情勢の緊迫化、需給ひっ迫など、多方面にわたるリスクが予測を超えて複合的に発生する「激動の時代」に直面しています。榊原会長からは、再生可能エネルギー事業本部長や電力需給・取引推進室長といった、会社の新たな課題を担う組織の責任者を歴任してきた経験を生かし、機敏かつ柔軟に変化に対応しながら、資源価格高騰への対応や安全・安定供給の全う、ゼロカーボンの推進といった課題に向き合い、新たな時代を切り拓いてもらいたいとの言葉がありました。
志賀 それを踏まえて、社長就任に当たっての抱負をお聞かせください。
森 当社グループを取り巻く難局を乗り越えるためには、中期経営計画に掲げた「ゼロカーボンへの挑戦」「サービス・プロバイダーへの転換」「強靭な企業体質への改革」という、柱となる三つの取り組みをグループの総力を挙げ力強く推し進めていかなければなりません。グループの全従業員が一丸となって課題に立ち向かい、将来にわたり持続的成長の道を切り拓いていくことこそが、私の最大の使命です。その上で、特に力点を置きたいのが、①経営理念『あたりまえを守り、創る』のさらなる浸透、②全員が活躍できる企業グループの実現、③お客さまや社会の目線の徹底―の3点です。

まず、経営理念のより一層の浸透により、安全・安定供給などを着実にやり遂げる「守る」と、新たな価値を創出する「創る」の両輪を同時にしっかりと進めていくとともに、それぞれをより高い次元で実践していくことを目指していきます。各従業員が、自身が守るものと創るものが何か、常に意識し行動することが重要です。
また、現下の厳しい状況を乗り越えるためには、グループ全従業員が持てる力を最大限に発揮し、その総力を結集して難局に立ち向かう必要があります。そのためには、一人ひとりが安全かつ健康であることはもちろん、互いの多様性を認め合いながら仲間の成長や成功を喜び合うなど、全員が活き活きと働き、活躍できる企業グループを創り上げていかなければなりません。さらに、お客さまや社会の皆さまからの信頼は、事業活動を進めていく上でなくてはならないものです。この大切な信頼を賜るため、また、真に求められる価値をお届けするため、これからも一人ひとりが、常にお客さまや社会の目線に立って考え、行動できる企業グループを目指します。これらを実践していく当社を見て、「関西電力ってええやん」と言ってもらえる、そんな会社にしたいと考えています。