【関西電力 森社長】グループの総力を結集し ゼロカーボン社会に挑戦 新たな時代を切り拓く

2022年9月1日

計画外停止を防止 冬の需給に万全を期す

志賀 今年度夏・冬は厳しい需給が予想されています。どのような対策を講じているのでしょうか。

 東京電力エリアで電力需給がひっ迫した6月末は、夏の高需要期に向けた発電所の計画的な補修点検が継続していたタイミングだったのですが、例年よりも早く梅雨明けし異例の暑さが続いたことにより、需給のギャップを埋めるのが大変な状況でした。その後は、想定以上の需要増加もなく、お客さまや社会の皆さまに無理のない範囲で節電にご協力いただいていることもあって、現時点では安定供給を維持できています。

 しかしながら、想定を超える電力需要の増加や、燃料の調達リスクなどを踏まえると、予断を許さない状況であることは間違いありません。冬の電力需給も引き続き厳しいことが予想されますが、必要な燃料の確保や、電気設備の保安管理の徹底により、発電所の計画外停止を防止し、また、安全を最優先に安定稼働に努めるなど、当社グループ一丸となって、安全・安定供給に全力で取り組んでいきます。

志賀 国は、節電キャンペーンを料金抑制と需給改善の切り札にしようとしています。

 当社も、今夏の節電プロジェクトとして、節電量に応じて 「はぴeポイント」 を進呈するキャンぺーンを行っており、個人のお客さま向けに7月1日から参加者の募集を開始しています。登録数は、7月末時点で約3万5000世帯ですが、さらに多くの方に参加いただけるようお知らせしていきます。また、法人のお客さま向けにも、前年同月の電力量からの需要抑制分の割引を適用する料金メニューを設定しています。今冬の需給ひっ迫への対応として国は、節電プログラムへの支援などの取り組みを行うとの方針を示していますので、当社としても、その内容を踏まえつつしっかりと取り組んでいきます。

志賀 22年度は、第1四半期で171億円の最終赤字となり、通期では1000億円の赤字見通しです。料金値上げは不可避ではないでしょうか。

 まず、大口のお客さま向けの標準メニューについては、来年4月から供給開始ができるよう準備を進めています。それまでは、契約更新先が見つからないお客さまや、最終保障約款メニューの見直しにより契約の切り替えを希望されるお客さまに対し、新たな電気料金プランとして、「卸市場価格連動メニュー」を設定しました。通期見通しについては、1000億円の赤字予想を据え置きましたが、これは為替や燃料価格、取引市場価格の変動などの要素がある中で、現時点では、年初よりも確度高く想定することが難しいため据え置いたものです。この赤字幅をいかに圧縮していくかが、経営の役割だと考えています。

志賀 電力需給について厳しい見通しが示されている一方で、ゼロカーボンにも取り組まなければいけませんが、何が必要でしょうか。

森 そもそも、エネルギー資源に乏しいわが国においては、S+3Eの同時達成の観点が非常に重要です。日本のエネルギーをいかに国として確保し、安く安定的に届けることができるかという、長期的な問題だと認識しています。脱炭素社会を目指す上でも、水素・アンモニアやCCS(CO2の回収・貯留)など、技術開発や制度動向などを踏まえるとともに、S+3Eのバランスを保ちながら進めていく必要があります。

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