【関西電力 森社長】グループの総力を結集し ゼロカーボン社会に挑戦 新たな時代を切り拓く

2022年9月1日

志賀 ロシア・ウクライナ情勢を受け燃料供給懸念が続いています。

 当社は、ロシア産化石燃料の長期購入契約を保有しておらず、ロシアからの調達は全体のわずか数%であり、燃料の安定調達への影響はないものと見ています。長期契約により燃料を一定数量確保しているため、現時点で安定調達の面ですぐに支障が出るということはありませんし、需要増に対しては適宜スポット調達で対応しています。一方で、燃料価格の変動に対しては、従来から調達地域や契約期間などの分散に努めてきました。今後も安定的な電力・ガス供給を最優先に、国際情勢などの動向、日本政府の方針を踏まえた燃料調達を行っていく方針です。

工法の工夫を重ね 特重運用を前倒し

志賀 美浜発電所3号機の特定重大事故等対処(特重)施設の運用が7月末に開始されました。

 美浜発電所3号機の特重施設工事については、先行プラントの知見を踏まえ、早期完成に向けてありとあらゆることを検討、実施することで前倒しを図ってきました。土木工事と電気・機械設備工事の工法を工夫し並行化することなどにより、工程の短縮が図れたことから、先般、約2カ月前倒しして特重施設の運用を開始することができました。一方、大飯4号機は8月12日に本格運転を開始し夏の電力需給の改善に貢献しています。大飯3号機についても、4号機の特重施設工事の実績・経験を反映して4日間の前倒しを決めています。

美浜発電所3号機は特重施設の運用開始を大幅に前倒し                提供:関西電力

志賀 高浜1、2号機についてもそうした前倒しの経験を生かすことができるのでしょうか。

 高浜1、2号機は共に特重施設の工事を進めているところです。1号機は23年5月ごろ、2号機はその1カ月後の6月ごろに特重施設の運用を開始する予定です。今後も早期完成に向けて安全最優先で工事を進めていきます。

志賀 ゼロカーボンへの挑戦について、進捗はいかがでしょうか。

森 21年2月にゼロカーボンビジョンを策定し、「事業活動に伴うCO2排出を2050年までに全体としてゼロ」とすることを目指し、お客さまや社会のゼロカーボン化に向けてグループのリソースを結集して取り組むことを宣言しました。22年3月には、「ゼロカーボンロードマップ」として今後の取り組みをまとめました。それに基づき、まずは自らが再エネ・原子力・ゼロカーボン火力・水素の各分野で、多種多様な取り組みに挑戦し、CO2排出量の削減を着実に進めていきます。

志賀 電源の脱炭素化は電力会社としての大きな役割ですね。そのために、原子力新増設・リプレースは避けて通れません。

 プラントメーカーなどと協力しながら現プラントモデルの安全性や経済性を向上させた次世代軽水炉の設計の検討を行っています。新型炉(SMR・高温ガス炉など)の安全設計上の特長や課題、プロジェクト状況についてさまざまな情報ソースを活用して最新情報の把握に努め、技術的な検討を進めていますが、今後、より一層検討を深めていく必要があると感じているところです。

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