エナジー・トリプル・トランスフォーメーション

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「グリッド」「燃料」「デジタル」――エネルギーの未来を拓く三大改革と次世代システム実現に向けたロードマップ

発売年月:2019年11月
著者:株式会社日本総合研究所/井熊 均、瀧口 信一郎、木通 秀樹
商品コード: 504 商品カテゴリー: , ジャンル:

著者紹介:
井熊 均(いくま・ひとし) 株式会社日本総合研究所 専務執行役員 創発戦略センター所長 1958 年、東京都生まれ。1981 年、早稲田大学理工学部機械工学科卒業。1983 年、同大学院理工学研究科修了。1983 年、三菱重工業株式会社入社。1990 年、株式会社日本総合研究所入社。1995 年、株式会社アイエスブイ・ジャパン取締役。2003 年、株式会社イーキュービック取締役。2003 年、早稲田大学大学院公共経営研究科非常勤講師。2006 年、株式会社日本総合研究所執行役員。2017 年、専務執行役員。環境・エネルギー分野でのベンチャービジネス、公共分野におけるPFI などの事業、中国・東南アジアにおけるスマートシティ事業の立ち上げなどに関わり、新たな事業スキームを提案。公共団体、民間企業に対するアドバイスを実施。公共政策、環境、エネルギー、農業などの分野で70 冊以上の書籍を刊行するとともに政策提言を行う。 瀧口 信一郎(たきぐち・しんいちろう) 株式会社日本総合研究所 創発戦略センター シニアスペシャリスト 1969 年、福岡県生まれ。京都大学理学部を経て、1993 年、同大大学院人間環境学研究科修了。テキサス大学MBA(エネルギーファイナンス専攻)。東京大学工学部(客員研究員)、外資系コンサルティング会社、Jリート運用会社、エネルギーファンドなどを経て、2009 年、株式会社日本総合研究所に入社。現在、創発戦略センター所属。専門はエネルギー政策・エネルギー事業戦略・インフラファンド。著書に『中国が席巻する世界エネルギー市場 リスクとチャンス』、『2020 年、電力大再編』、『続2020 年、電力大再編』、『電力小売全面自由化で動き出す分散型エネルギー』、『電力小売全面自由化で動き出すバイオエネルギー』(以上、共著・日刊工業新聞社)など。 木通 秀樹(きどおし・ひでき) 株式会社日本総合研究所 創発戦略センター 部長(IoT 推進担当) 東京大学 先端科学技術研究センター シニアプログラムアドバイザー 1997 年、慶応義塾大学理工学研究科後期博士課程修了(工学博士)。1988 年、石川島播磨重工業株式会社(現・株式会社IHI)入社。ニューラルネットワークなどの知能化システムの技術開発を行い、環境・エネルギー・バイオなどの制御システムを開発。2000 年、株式会社日本総合研究所に入社。現在に至る。再生可能エネルギー、水素などの技術政策の立案、再生可能エネルギー、エネルギーマネジメントなどの社会インフラ、IoT の新事業開発、スマートシティなどの都市開発事業を実施。2019 年より東京大学に兼任して水素などの再生可能燃料のグローバルネットワーク構築に向けた研究活動を推進。著書に『なぜ、トヨタは700 万円で「ミライ」を売ることができたか?』、『大胆予測 IoT が生み出すモノづくり市場2025』、『公共IoT ‐ 地域を創るIoT 投資』(以上、共著・日刊工業新聞社)など。

目次

はじめに

第1章 日本をとりまく4つのエネルギー危機

(1)実現性の見えないパリ協定対応
パリ協定で上がった再生可能エネルギーのハードル
大平原で成功した再生可能エネルギー
モデルの見えない日本の再生可能エネルギー

(2)脅かされるエネルギーセキュリティ
欧米金融界が仕掛ける石炭火力の座礁資産論
持続性に懸念が出てきた世界の原子力
ベース電源不在の時代
中国の天然ガス大量購入ニーズ

(3)三重苦の日本のエネルギー
求められるエネルギーミックスの転換
本格的な人口減少時代による電力需要の減少
自由化による投資余力のさらなる低下

(4)崖っぷちのエネルギー産業
苦境に陥る日本の重電メーカー
枯渇する技術人材
エネルギー危機を乗り越えるための要件

第2章 次世代エネルギーシステムへのトリプル・トランスフォーメーション

(1)グリッド・トランスフォーメーション
エネルギー安全保障が可能とした広域連携
制度整備で加速する再生可能エネルギー導入
再生可能エネルギー導入が促したグリッドの技術革新
広域送電網の限界
需要サイドで育つグリッドの調整技術
燃料電池を含めた電源ユニット化
自動車と住宅の融合
需要サイドの変動調整の推進力
コミュニティレベルでの融通システム
コミュニティブロックでの調整機能
カリフォルニアで進む制度整備
日本のコミュニティレベルの制度
広域と需要サイドの調整のミックス

(2)フューエル・トランスフォーメーション
燃料革命こそエネルギー革命の本質
バイオマスの時代(第一次燃料革命)
森林の再生速度が制約に
石炭の時代(第二次燃料革命)
燃料化技術で革新された鉄鋼業
石油の時代(第三次燃料革命)
内燃機関の誕生と石油時代の到来
天然ガスの時代(第四次燃料革命)
天然ガスの普及を後押ししたLNG
燃料革命を推進する3つの条件
燃料革命の構造
燃料革命の方向性
日本のエネルギー需給と燃料の代替性
熱エネルギーの低炭素化をいかに進めるか
天然ガスのさらなる需要拡大
燃料革命を阻むレガシーシステム問題
気体燃料の時代

(3)エナジーデータ・トランスフォーメーション
職人の勘からデータ起点の制御へ
人間を代替する制御システムの誕生
AI/ IoTが実現する未来の制御
家電の技術革新
制御機能が促したエネルギー関連設備の発展
デジタルデータがもたらした市場の革新
センサー革命が実現したIoT
都市データセンサーとなる設備
構造変化する設備管理の市場
生活センサーとなる家電
データリソース化する自動車
IT産業と自動車産業が覇を競う自動車市場
サービスを競う家電関連市場
行方が注目される供給側データ市場
スマートシティの基盤となる供給側データ市場

第3章 トリプル・トランスフォーメーションに向けてのロードマップ

(1)太陽光発電の失敗経験を生かした産業インキュベーション戦略
日の丸太陽電池の敗戦
昔は太陽電池、今は燃料電池
水素への燃料転換が唯一の解
求められる産業インキュベーション機能

(2)「気体燃料to水素」のエネルギービジョン
見えないマーケットへのアプローチ戦略
水素時代への橋渡し=気体燃料時代
燃料電池を分散配置した自律型エネルギー拠点
「気体燃料to水素」時代の核となる自律型エネルギー拠点
デジタルデータ拠点としての自律型エネルギー拠点
エネルギーの安定性に貢献する自律型エネルギー拠点
数千万kW&kWhの容量を持つ自律型エネルギー拠点
地方再生のインフラ基盤となる自律型エネルギー拠点

(3)次世代エネルギーシステムづくりのロードマップ

【第1フェーズ:基本システム構築段階】
自律型エネルギー拠点開発要素
技術・システム開発のための実証期間
気体燃料ライン整備への合意づくり

【第2フェーズ:面展開段階】
経済・社会両面で効果のある自律型エネルギー拠点
自律型エネルギー拠点運営者の育成
自律型エネルギー拠点アウトソーサーへの参入企業

【第3フェーズ:本格展開段階】
未来のエネルギーミックス
ビジョンと構造転換重視のエネルギーミックスを
産業を革新する「気体燃料to水素」戦略
中核となるスマートハウス・ビル・シティ
日本の強みは都市コンテンツ