【インフォメーション】エネルギー企業の最新動向(2022年6月号)

2022年6月14日

【神戸熱供給ほか/関西初となる地域冷暖房の脱炭素化】

関西電力や大阪ガスなどが出資する神戸熱供給は、HAT神戸(兵庫県)で手掛けている熱供給事業で、供給する熱エネルギーを脱炭素化した。対象となるのは10施設で、関西エリアの地域冷暖房で脱炭素化したのは初めてのことだ。今回、供給する熱エネルギーを作り出す電力とガスの全量についてCO2フリーのエネルギーを活用する。関西電力が提供する「再エネECOプラン」によって実質CO2フリーの電気を利用するほか、大阪ガスが提供するカーボンニュートラル都市ガスを活用する。これらの取り組みによって年間2000tのCO2を削減する。神戸熱供給は、「兵庫県や神戸市が推進する脱炭素社会の実現に貢献できる」としている。

【北海道電力ネットワーク/住友電工/系統側蓄電池設備の運用開始】

北海道電力ネットワークは、住友電工のレドックスフロー電池設備(設備容量5万1000kW時)を系統側蓄電池として導入し4月から運用を開始した。北電ネットワークは設置した系統側蓄電池に係る費用を共同負担することを前提とした風力発電の募集を「系統側蓄電池による風力発電募集プロセス(Ⅰ期)」として実施している。この募集によって、すでに優先系統連系事業者15件、16万2000kWが決定しており、これらの連系のために必要となる系統側蓄電池として同設備を利用する。北海道電力と住友電工は2015年から北電の南早来変電所で同蓄電池の大規模実証試験を行い、系統安定化を目的とした運用において安定・安全に運転できることを確認している。

【リニューアブル・ジャパン/太陽光発電所管理実績が100万kWを突破】

リニューアブル・ジャパンは、発電所のO&M(オペレーション・メンテナンス)実績が1GW(100万kW)を突破した。再生可能エネルギー発電所の開発、発電、運営管理を手掛け、2月末時点で全国28カ所に拠点を設けている。自社開発のみならず、外部受託案件にも対応。除草や除雪、年次点検など徹底した業務内製化を図り、システムを共有して素早いトラブル解決と低コスト高品質のサービスを可能としている。また、4月には大垣共立銀行から融資を受け、長野県松本市の太陽光発電所購入を進めると発表するなど、今後も事業を拡大。一方で第二種・第三種電気主任技術者の育成など、次世代社員教育にも力を入れる「RJアカデミー」も開始し、業界をリードしていく方針だ。

【静岡ガス/JAPEXほか/愛知県でバイオマス発電所を建設】

静岡ガスはこのほど、石油資源開発、東京エネシス、川崎近海汽船、第一実業、岩谷産業、Solariant Capitalの6社と連携し、愛知県田原市の工業団地にバイオマス発電所を設けると発表した。木質ペレットを燃料とし、出力は5万kWを見込む。2022年10月に着工し、25年4月に運転開始予定。中部電力パワーグリッドに約20年売電する。この事業は静岡ガスが運営する。出資7社は、再生可能エネルギー由来電力の普及拡大と地域経済の発展へ貢献していく構えだ。

【大阪ガスほか/世界最高水準の高効率コージェネを共同開発】

大阪ガスと三菱重工エンジン&ターボチャージャは発電出力850kW級の高効率ガスエンジンコージェネレーションシステムを共同開発した。停電発生時にはガスを燃料として発電し、必要な設備に電力を供給する事業継続計画対応機能や、設置スペースはそのままに、燃焼の最適化や高効率部品の採用などにより、出力アップと効率アップを両立した。従来機種を大幅に改良したことで、850kWの発電出力としては世界最高クラスの発電効率41.9%を達成した。

【JFEエンジニアリングほか/ゴミからメタノール製造 国内初の取り組み】

JFEエンジニアリングと三菱ガス化学は、都内の清掃工場「クリーンプラザふじみ」の排ガスから回収したCO2を原料に、メタノールへ転換に成功した。国内初のこと。CO2の回収率は90%以上、CO2純度は99.5%以上であることをJFEが確認。その回収CO2を三菱ガス化学がメタノールに転換した。両社のCO2利用技術に期待が高まっている。

【平田バルブ工業/JIS Q 9100の認証取得 航空宇宙分野へ事業拡大】

平田バルブ工業は「航空・宇宙および防衛分野の品質マネジメントシステム(JIS Q 9100:2016)」の認証を取得した。この認証は、ISO9001に航空宇宙業界特有の要求事項を追加したもの。日本で制定された世界標準の品質マネジメント規格だ。同社は認証取得により、航空宇宙分野への事業拡大に向け、取り組みを加速させるとしている。