【特集2】創業の地にマイクログリッド構築 有事の際もエネ安定供給を実現
【鈴与商事】
静岡市は2022年4月、環境省の脱炭素先行地域に選定された。同市が手掛ける3カ所のカーボンニュートラル(CN)の取り組みのうち、日の出エリアを担当するのが鈴与商事だ。同エリアの現在の電力消費量は年間200万kW時、CO2排出量は同842tに上る。太陽光発電と蓄電池の導入などによって、30年にCNを達成するという目標を掲げている。
具体的には、一期目で従来のシリコン型太陽光パネルを施設の屋根に設置し、エリア内で再エネ電力を、年間100万kW時分を創出。エネルギーマネジメントシステム(EMS)を活用した需給管理により再エネの余剰電力を蓄電池に充電し、夜間や悪天候時に放電して電気の自家消費量を向上する。また、太陽光発電を設置できない施設にも電気を供給して再エネの電力消費量を向上していく。
2期目では、ペロブスカイトなど軽量の次世代太陽電池パネルを採用し、耐荷重や面積が不十分で搭載できなかった施設にも設置して再エネ電力導入量の拡大を図っていく方針だ。
さらに、鈴与商事と静岡県、静岡市、中部電力パワーグリッド、電源開発、鈴与電力は24年11月11日、「地域マイクログリッドの運用に係るコンソーシアム基本協定書」を締結した。
CN達成を目指す同エリアに地域マイクログリッドの構築・運用することで、災害などによる長期停電時にも電力供給を実施し、レジリエンスの向上を図ると同時に、同地区内で太陽光発電設備を活用することを目指す。
1 2