送配電業務に欠かせない技能を競う 日頃の成果を披露する絶好の機会
【東京電力パワーグリッド】
東京電力パワーグリッド(PG)は12月4日〜5日の2日間、総合研修センター(東京都日野市)と給電技能訓練センター(東京都荒川区)で「全社技術技能競技大会」を開催した。今回は「レジリエンス強化」をテーマに送配電、系統運用など11種目に分かれ、大規模災害時の停電復旧や部門・地域を超えた連携などの課題に対し、日頃の対応業務の能力を競った。
過酷事故からの復旧 チーム力が勝負
系統運用部門の競技は、給電技能訓練センターにおいて実際の電力系統を再現したシステムを使って行われ、各エリアの給電所を代表し8チームが参加した。1チームは当直長、2人の操作担当者、情報発信担当者の4人で、日頃から一緒に勤務している当直チームのメンバーだ。台風によって広範囲にわたって停電が発生したことを想定し、系統を復旧させるまでの技能を「操作の安全」「迅速な復旧」「適切な情報発信」の三つの審査ポイントで競い、「多摩」チームが優勝した。
岸栄一郎系統運用部長は「これまで培ってきた技術・技能を一人ひとり発揮できている」としつつ、「発電・小売事業者など関係者が増え、自然災害が激甚化する中で給電所員にはより高度な対応力が求められている」と言い、さらなる技術技能の引き上げに意欲を見せた。
総合研修センターで行われた、ドローン競技は、指定の時間内に全ての障害物・ゲートを通過し、安全かつ効率的に操縦できるかを競う。同社の各チーム対抗戦に加え、東京ガスネットワークやNTT、関西電力送配電など他のインフラ企業とのエキシビションマッチも行われた。人財開発室の山崎英明副室長は「ドローンのような発展途上のツールは、他者の取り組みを知ることで新たな気付きがある。切磋琢磨できる場を提供する狙いがあった」と話す。ドローン競技は昨年から始まった新しい種目。競技開始の前後に参加者にインタビューしたり、競技中に音楽を流したりなど、スポーツ会場のような雰囲気だ。競技種目でも異彩を放っていた。
大会終了後は全チームの競技内容を振り返り日頃の業務改善に生かしていく。技術の進歩とともに、使用設備や機材も変わる。新たに取り組むべき業務において、競技大会は刺激になる絶好の機会になっているようだ。