【特集2】Jークレジット制度を利用 パビリオンのCO2排出量を実質ゼロに
【岩谷産業】
岩谷産業が、CO2排出削減による環境価値を活用したプロジェクトを進行中だ。大阪・関西万博では、カーボンオフセットLPガスを使用しCO2を減らす。
開幕以来、多くの来場者で大盛況の大阪・関西万博。数あるパビリオンの中で、開催地である大阪府と大阪市が出展するのが「大阪ヘルスケアパビリオン」だ。未来のヘルスケアや都市生活、食と文化、再生医療などを体験しながら学べる展示を行っている。
万博は、日本のカーボンニュートラルを世界にPRする場としても注目される。そのため、グリーン電力や環境負荷が実質ゼロのLPガスなどのエネルギー利用が前提だ。こうした中、岩谷産業は大阪ヘルスケアパビリオンにカーボンオフセットLPガスを供給している。活用したのは、国のJ-クレジット制度。同制度では、再生可能エネルギーの導入や森林保護などで削減されたCO2排出量を「J-クレジット」として認証する。
グリーンLPガスの開発を推進 50年度までのCN達成を目指す
岩谷産業はこの制度を活用し、2021年11月から「Iwatani J-クレジットプロジェクト」を推進中だ。プロジェクトに加入した顧客が油燃料からLPガスやLNGに燃料転換した際のCO2削減量などを取りまとめ、その環境価値化を進めている。カーボンオフセットLPガスを供給することで、パビリオンのCO2排出量を実質ゼロにする取り組みだ。

イワタニグループは、2030年度までに国内でのCO2排出量を19年度比で50%削減することを目標に掲げている。生産から消費の過程でCO2排出をゼロにするグリーンLPガスの開発にも取り組んでいる最中だ。これらの取り組みにより、さらに20年先となる50年度までのカーボンニュートラル達成を目標にしている。
今回のパビリオンへの供給は、岩谷産業が2025年日本国際博覧会大阪パビリオン推進委員会と公益財団法人2025年日本国際博覧会大阪パビリオンとの間で協賛契約を締結したことにより実現した。同社はこの取り組みにより大阪・関西地域の発展に寄与するとともに、LPガスの低炭素化・脱炭素化を積極的に進め、顧客や地域から選ばれる「エネルギー生活総合サービス事業者」を目指していく構えだ。