【特集2家庭用エネルギー】東京都が蓄電池補助政策でDR実証に注力
東京都が家庭用蓄電池を使ったDR実証を展開中だ。一般消費者の参加率向上と事業者の登録増加に注力する。
インタビュー/上原 麻衣子(東京都環境局気候変動対策部地域エネルギー課長)
―東京都では家庭用蓄電池購入に対し、1kW時当たり12万円の補助、DRに参加する場合は10万円の補助が加算されます。
上原 東京都は「ゼロエミッション東京」において、2050年CO2実質ゼロ、30年カーボンハーフの実現に向け、家庭部門での再生可能エネルギー導入を推進しています。住宅用太陽光の導入促進策によって電気を「つくる」ことをサポートすると同時に、変動する電源を利用する上で、系統の安定化、調整力の確保を同時に進める必要があります。そこで、蓄電池やエネファーム、エコキュートといった分散型エネルギーリソースの普及とDR(デマンドレスポンス)促進で「ためる」「使う」対策を後押しして、両輪で取り組んでいます。
DR事業では、登録アグリゲーター(AG)を募り、システム構築などをサポートしています。実証では、都登録AGの公表を行い、蓄電池などの分散型エネルギーリソースを導入した一般消費者と連携してDR実証を進めて、アグリゲーションビジネスの実装を促進しています。DR実証実施後には都登録AGが一般消費者にアンケートを実施するほか、電力データ、稼働状況データ、アンケート結果の分析などを行い、報告してもらいます。
低い一般家庭の参加率 遠隔制御に不安感じる人も
―DR実証事業を進める上での課題はありますか。
上原 一般消費者にDRという言葉も内容もまだ浸透していません。認知度向上と理解促進が必要です。蓄電池を新規導入した世帯のうち、DRへの参加はわずか15%程度。遠隔制御に不安を感じる方もいるようです。一般消費者に対し、DRに参加することで「太陽光の電気を無駄なく利用できる」「電気代の節約になる」といったメリットを簡潔にアピールできたらと考えています。
―今後の展望についてお聞かせください。
上原 将来的に、低圧部門の分散型エネルギーリソースを束ねて調整することが社会的に当たり前となる姿を目指し、一般消費者のDR参加拡大を図っていくと同時に、都登録AGに参加する事業者を増やすことを通じて市場形成を促します。来年度は需給調整市場で低圧リソースの導入が開始となるなど、蓄電池やDRを巡る事業環境は1~2年で大きく変化することが考えられます。その変化に対応しながら、継続的に普及を後押ししていきたいです。



