【特集2家庭用エネルギー】小売り全面自由化10年目に迎えた新サービス創成期

2026年2月3日

蓄電池やハイブリッド給湯器などの商材が家庭部門に新風を吹かせている。国や自治体の政策も相まって、新たなサービスを生み出しそうだ。

環境省が昨年6月に発表した「家庭部門のCO2排出実態統計調査」によると、1世帯当たりの年間 CO2排出量は、2・47t―CO2と、前年度比で4・6%減少した結果となった。ただ、部門別では、産業部門や運輸部門に次ぐ割合を占めており、引き続き省エネに取り組んでいく必要がある。


この課題に対し、国や自治体は太陽光発電、蓄電池、ハイブリッド給湯器など、創エネ、省エネ機器の購入に補助金を付けるなどの支援を行っている。中でも、東京都は太陽光発電の設置を義務化し、1kW当たり15万円(上限45万円)、蓄電池では1kW時当たり12万円(上限なし)、デマンドレスポンス(DR)実証に参加すると、さらに10万円を上乗せする補助事業などに積極的だ。DR実証では事業者にもシステム構築などに補助金を拠出しており、再生可能エネルギー、蓄電池とDRの普及拡大を促進している。

再エネやDRを有効活用 顧客と事業者の双方に利点

事業者はこうしたサポートや実証を活用して新サービスを創出することに注力している。東急パワーサプライは家庭用蓄電池実証を実施中だ。都内で太陽光発電を設置していない戸建て住宅に1000台の蓄電池を無償で設置・貸与。同社が遠隔で制御し、市場価格が安い時間帯に充電し、高い時間帯にはためた電気を放電して家庭内で使用する運用を行う。需要家は普段どおりに生活しているだけで、電気代が削減できるというものだ。


一方、エネゲートはEV充電料金の割引サービスを活用。再エネの余剰が発生する時間帯にユーザーへの充電を促す実証を行っている。


ハイブリッド給湯器も注目される。10年以上前に販売開始となったが、補助金の増額によって、状況が一変。年間出荷台数は4万台程度まで成長した。状況に応じて電気とガスが自在に切り替わり、どちらの熱源でもお湯を作ることができる。この利点はDRに有用で、ニチガスをはじめとするエネルギー事業者が応用を検討している。


このように、補助政策や実証を通して、新たなエネルギーサービスが誕生しつつある。機器の性能向上も同時に進み、今後の家庭用エネルギー分野をけん引していきそうだ。

DRに有用なハイブリッド給湯器