【特集2 分散型エネルギー事情】広島ガスの2MW級バイオマス発電所が運開
再生可能エネルギー電源の開発を着実に進めてきた広島ガス。
燃料の全てを国産資源で賄う、新たな発電所が稼働した。
広島ガスが手掛けた大野浦バイオマス発電所(1990kW、広島県廿日市市)が運開した。中国電力との共同出資による海田発電所に続くバイオマス発電所で、今回は初の単独事業だ。発電量は年間約1380万kW時、一般家庭約3200世帯分に相当する。燃料は全量を国産木質バイオマスとし、主に山口県東部森林組合の林地残材活用のチップを使う。木質バイオマスの年間使用量は約2万8000tで、CO2を約6165t削減するほか、地域森林資源の有効活用や土砂災害の被害軽減、森林保全にもつなげる。

100%子会社のHG Wood Powerが発電所の維持管理を担い、業務委託先の8人が二交替で運転を監視する。本発電所は、FIP(市場連動価格買い取り)制度を活用し、広島ガスをはじめとする小売電気事業者など供給先を柔軟に選定していくという。
電力を収益事業の柱に 自社電源確保へ投資を継続
本発電所は瀬戸内海に面する約3万8000㎡もの広大な社有地の一角に立地する。主要幹線道路や高速道路からアクセスが良く燃料輸送の効率に優れ、また発電に適した工業用地であるためこの地が選定された。
タクマのプラントをパッケージで採用し、約1万㎡にボイラー、タービン棟、チップヤード、チップ供給棟を備える。HG Wood Powerの木戸志紀氏は、「コンパクトに配置できた。排ガスから熱を回収し空気温度を上げることで燃焼性が高まるほか、幅広い形状の燃料へ対応可能なトラベリングストーカ炉によって安定運転が見込める」と説明する。
広島ガスはこれまで各地で太陽光や風力発電事業に参画しており、2030年度までに6万kWの再生可能エネルギー電源の開発を目標にしている。本発電所の稼働で4万8000kWに達し、目標に一歩近づいた。30年度までに電力小売り契約10万件の達成を目指しており、都市ガスやプロパンガスと並ぶ収益事業の柱に据えたい考え。経営企画部の井上仁・イノベーション推進室長は、「電力事業を展開する上で供給力の確保は大きな課題。自社電源の強みを生かすべく、電源ポートフォリオの拡充を進めていきたい」と、さらなる再エネ開発投資に意欲を見せる。


