【特集2 分散型エネルギー事情】静岡で鈴与のマイクログリッドが稼働

2026年7月3日

鈴与商事がエネルギーの地産地消プロジェクトを開始した。
太陽光と蓄電池などを活用し、長期停電時の電力供給を両立する取り組みだ。

鈴与商事は3月、静岡市清水区日の出地域で「日の出地域エネルギー供給プロジェクト」を開始した。同プロジェクトは、静岡県の「清水港港湾脱炭素化推進計画」と静岡市の「脱炭素先行地域」の取り組みと連動し、2030年カーボンニュートラル実現を目指すもの。太陽光発電や蓄電池、エネルギーマネジメントシステム(EMS)を組み合わせ、再生可能エネルギーの地産地消と災害時の自立電力供給を両立する地域一体型モデルを作り上げた。

プロジェクトを実施する日の出地域

物流倉庫の屋根に太陽光設置 自立運転試験で需要家に供給

設備としては日の出地域の大型物流倉庫3棟の屋根などに合計1008kWの太陽光発電を設置。これに電力を平準化させることを目的とした蓄電池を併設したのに加え、系統用大型蓄電池(出力1950kW、容量5484kW時)を建設した。これにより、年間約100万kW時の発電量を確保、一般家庭263世帯分の消費電力に相当するほか、地域のCO2排出量を約半分に削減する見込みだ。


また、同プロジェクトでは、地域マイクログリッドとして電力供給を行うことも可能。電源開発、中部電力パワーグリッド、鈴与電力とコンソーシアムを組み、平常時は地産地消を進めつつ、台風などによる長期停電時には配電系統から切り離して自立運転できる。2月15日に実施した発動試験では、約3時間にわたり防災施設である清水マリンビルをはじめ23件の需要家に電力を供給した。


開所式で伊藤正彦社長は「エネルギー供給の不安定さが高まる中、地域でエネルギーを作り、蓄え、安定的に使う仕組みの重要性を改めて感じている」と述べた。同プロジェクトではフィルム型ペロブスカイト太陽電池導入も検討する。従来設置が難しかった場所でもエネルギーの創出を図っていく構えだ。

開所式には平木静岡県副知事や難波静岡市長も参加