【特集2 ガス転換の潜在力】サイサンが給食調理用燃料をLPガスにアフリカ市場の開拓を目指す
サイサンは、ルワンダの学校給食にLPガスの導入を開始した。
現地での実績を基に、アフリカ各国の市場開拓を進めていく。
海外9カ国で事業を展開するサイサンは、アフリカ・ルワンダでクリーンエネルギーへの燃料転換を加速させている。
現地のグループ会社Jibu Gas One Limitedが国際移住機関(IOM)の事業を落札し、ルワンダ国内の学校給食の調理に使われる燃料を薪からLPガスへ転換するプロジェクトを推進している。対象となる7校では、従来の薪に比べて調理時間の短縮や大気汚染の軽減、森林資源の保護が図られるとともに、生徒や調理担当者の健康と安全性の向上が期待されている。
ルワンダは東アフリカの内陸国で、コンゴ、ウガンダ、タンザニア、ブルンジの4カ国と国境を接する赤道直下の国。四国の1.5倍ほどの国土に約1400万人が暮らし、アフリカで最も人口密度の高い国だ。
32年前の痛ましい大虐殺からの復興は、「アフリカの奇跡」と呼ばれる。治安が良く、街もきれいで夜間でも多くの人々が行き交っていることから、「アフリカのシンガポール」とも称されている。

作業環境を改善し時間も半減 少量販売で家庭への普及促進
ルワンダでは、国民の90%以上が今なお薪や炭を使用している。LPガスの年間消費量は約43万tで、日本の総需要の30分の1程度だ。LPガスはアフリカ域内やアメリカから調達し、タンザニアやケニア経由で輸入している。電気は一部で普及しているが、安定供給に課題があり、料金も著しく高額だ。
現地法人の松下幸之助社長は、「供給した学校からは『キッチンからすすや煙が消えたことで息がしやすくなり、調理時間も半減した』という声が届き、協力できたことへの喜び、達成感を感じた」と語る。
ルワンダ政府は、2030年までに薪や炭の使用率を現在の40%程度まで削減する公約を掲げている。同社は予算に応じて少量販売を行うシステム「LPG Smart Station」を市場に浸透させ、LPガスをより身近なエネルギーにしていく計画だ。
アフリカの人口は、50年には25億人に達すると推計されている。サイサンはルワンダでの事業を足掛かりとして、現地で培った経験と実績を生かし、アフリカ各国への事業拡大を推進していく考えだ。


