【特集2】業界をつなぐプラットフォーム 新しい価値を生み出しDXを実現

2021年5月3日

【パーパス】

1982年からLPガス事業者向けにシステムを提供するパーパス。培ったノウハウで、プラットフォームビジネスに乗り出した。データの共有化で生まれる新市場の開拓や活性化を支援する。

業界初の総合エネルギー顧客管理システム「クラウドAZタワー」(AZタワー)から13年。パーパスが新たに提供する全方位互換包括システム「AZスカイプラットフォーム」は、『クラウド(雲)』として分散接続する各種コンテンツやネットワークを連携させ、さらに高い『スカイ(天空)』から全体を俯瞰するシステムのイメージだ。システムやプラットフォーム、ツール、アプリが全方位で自在につながり、利用事業者と顧客を結ぶ『場』になることを目指している。AZタワーでLPガス事業者を中心に獲得したノウハウや知見を生かし、独自のアプリも展開する。

利用事業者はAZスカイプラットフォーム内のコンテンツを選び、自社のクラウドと連携して利用する。これまで顧客から集めた自社のデータのみで提供していたサービスを、参画する他社のデータも共有して、新しい製品やサービス、ビジネスを提供できるようになる。

補完プレイヤー(参画するシステム供給者)が増え、多様な製品を提供すれば利用する事業者が増える。利用者のニーズによってさらに多様なコンテンツが生まれ、補完プレイヤーが増えれば、プラットフォームとしての規模・機能・価値が向上する。AZスカイプラットフォームはこのエコシステムを循環させ、新市場の開拓や活性化への貢献を目指す。

垂直にも水平にも全方位でつながり、AZタワーもコンテンツとして含まれる

事業者のDXを実現する 業界を超えビジネスを支援

DXが注目される中、大規模な投資が難しい事業者などが大企業に負けないサービス展開をするためには、AZスカイプラットフォームのような基盤システムが必要だ。プロジェクトをけん引する、取締役常務執行役員の川口忠彦ITソリューション本部長は、「多くの補完プレイヤーに参加してもらい、利用事業者のビジネスを本当の意味で支援していきたい。コロナ禍での働く環境や事業環境の目まぐるしい変化に、柔軟で迅速に対応できるプラットフォームを構築していく」と目指す姿を語る。

プロジェクトリーダーの佐藤淳IoT・AI推進室理事部長は各プラットフォームの具体的なスキームや設計を手掛け、複数の業界をつなぐプラットフォームにすることを目指している。「住宅設備メーカーとしても、全製品についてITとの融合を始動させます」と意気込む。

国内では、顧客情報を扱うプラットフォームビジネスはパーパスが一番乗りだ。決済プラットフォーム、コミュニケーションプラットフォーム、AIエンジンの検証について、今夏の公開レベルを目標としている。