【特集2】建設から点検まで大活躍 電力で活用が進むドローン

2021年6月3日

【九州電力】

電力業界でドローンの活躍が著しい。とりわけ注目されるのが保安・点検分野だ。

ドローンを活用するメリットは大きい。作業員が送電鉄塔に昇らないため感電リスクや墜落のリスクがない、ボイラー点検では点検用に足場を組まずに済むためコストを削減できる、自然災害などで立ち入りが難しい場所でも簡易に点検可能―など、業務の効率化に貢献する。

特に九州電力は、積極的にドローンを導入している企業の一つだ。九電・情報通信本部は、空撮、産業用ドローンなど各種ドローンを100機以上、操縦士も100人以上備えており、火力・水力発電所の点検、土木測量、発電所ボイラーの点検、イベントの空撮に利用している。グループ会社の九電送配電でも、子会社の九電ハイテックが中心となってドローンを使った保守・点検を行う。すでに同社の大分、佐賀、鹿児島支社では、ドローンが飛行可能な区域にある鉄塔の点検業務をドローンに切り替えている。

代替を進めた結果、これまで6人程度必要だった鉄塔点検は、ドローンを用いた現場では3人に半減。1日に点検できる鉄塔の基数も、従来の1基(50万Vの場合)から2基に倍増した。22万V、11万V以下の鉄塔でも作業効率が向上した。ドローンによる鉄塔の点検基数は、2020年度だけで400基に上る。 工事から保安に至るまで、今後もドローンは電力の現場に欠かせない機器になりそうだ。