【特集2】エコジョーズがCNの強い味方に ハイブリッドで一次エネルギーを大幅削減

2021年10月3日

【パーパス(エコジョーズ/業務用ハイブリッド給湯機)】

パーパスのエコジョーズはスマホと連携し、省エネをサポート。 業務用ヒートポンプと組み合わせ、コスト削減にも貢献する。

LPガスの特長に、燃料が劣化しない、備蓄ができる、災害時の復旧が早いという点がある。日常はもちろん、非常時にも力を発揮する。そのLPガスの機器が、2050年カーボンニュートラル(CN)に向けて進化を続けている。

省エネ高効率ガス給湯器「エコジョーズ」はお湯をつくる際に発生する排熱も利用する。ガスの使用量が減ってガス代が下がり、CO2も削減。CNをサポートする給湯器としても注目されている。

エコジョーズ「GX-H240ZW」

近年はIoT化が進み、パーパスのエコジョーズは「AXiSスマート(900シリーズリモコン)」とスマホを連携。「パーパスコネクト」アプリを使い、スマートフォンから給湯器の遠隔操作や使用エネルギーの見える化が行える。今年6月からは2世帯住宅など、給湯器が2台ある住宅でも一つのスマホで操作できるようになった。

環境意識の高まりに対応し、使用したガスや水などのエネルギー使用量もスマホで確認が可能。オプションの「マルチ計測ユニット」を組み合わせれば、家じゅうの電気の使用量も見える化し、省エネ生活をサポートする。同社のエコジョーズは電気をつくるエネファームにも接続可能で、省エネから創エネまで行いたいユーザーの希望を叶える商品だ。

組み合わせてイイトコ取り 補助金利用で導入を促進

パーパスの業務用ハイブリッド給湯システム「PG―HB90/PGM―HB90シリーズ」は、高効率のヒートポンプ(HP)給湯器と瞬発力のあるガス給湯器を組み合わせた、エネルギーの〝イイトコ取り〟の商品だ。業務用HPユニット、バックアップ給湯器(エコジョーズ)、貯湯ユニットから構成される。

コンパクトで分散設置が可能な業務用ハイブリッド給湯システム

通常はHPをベースとしてお湯をつくり、エコジョーズはバックアップ用として待機する。お湯の消費が一時的に増え貯湯タンクの残量が少なくなると、自動的にエコジョーズが稼働する仕組みだ。42℃のお湯を1日3000ℓ使用する場合、一般的なガス給湯器を単体で使用するより、年間約47%のランニングコストを削減する。ガスの使用量が減るので、一次エネルギーは35%の削減になる。洗い物などで大量のお湯を使う業務用厨房のある飲食店や福祉施設への導入が進んでいる。

システムは、①お湯の温度が安定、②高温殺菌機能を搭載、③フレキシブルな設置が可能、④スケジュール運転が可能―が特長だ。

①は、エコジョーズでつくったお湯を貯湯タンクを通して直接供給する独自の回路を採用。これにより、HPからエコジョーズに運転が切り替わってもお湯の出が悪くなる心配がなく、安定した温度のお湯を供給し続けられる。

②は、民生用の2~3倍の加熱能力を持つ6kWのHPを採用。80℃の高温水をつくることで貯湯タンク内の殺菌ができ、いつでもクリーンなお湯を提供して事業者の負担を軽減する。

③は、ユニットがそれぞれ独立しているため、分散設置ができる。給湯器は高低差5mまで設置可能なので、給湯器のみ2階の店舗に設置するといった使い方ができる。貯湯タンクも従来の業務用エコキュートの5分の1程度の大きさになり、設置面積も3分の1になった。店舗の軒下に設置するなど、都会の店舗での利用に便利だ。

④は、営業時間や定休日をリモコンで設定できる。営業時間に合わせ沸き上げを行うので、エネルギーの無駄がなくなる。HPを停止させる時間をつくり、電力のピークカットを行うデマンドコントロールにもなる。

全て1台のリモコンで操作でき、HPと給湯器の稼働状況もリモコンに表示されるので、どの一次エネルギーを使用しているのか一目で確認できる。

今年5月、経済産業省が公募する「産業・業務部門における高効率ヒートポンプ導入促進事業費補助金」の2次公募から、システムに含まれるHPユニットが補助対象になった。現在12月10日まで5次公募中だ。

パーパスがハイブリッド給湯システムに取り組んだのは、エネルギーの自由化が始まった16年頃。鈴木孝之営業企画部長は「自由化が始まり、ガスだけでなくエネルギーという広い視野で製品を提供し、エンドユーザーのコスト削減に貢献したかった」と話す。

CN達成のために電化やCO2削減につながる機器が注目される中、ガスの利点を生かしつつコスト削減とCO2削減を実現するパーパスのハイブリッド給湯システム。国の補助金の後押しを受け、エネルギー利用が偏ることなく、電気とガスのイイトコ取りで、ユーザー目線で提案できる商品になっている。