【特集3】高付加価値を意識した物件開発 ZEHなど環境配慮にも取り組む

2023年12月3日

【大阪ガス都市開発】

大阪ガス都市開発は大阪ガスの子会社として1965年に設立。以来、同社本社の大阪ガスビルディングをはじめとしたグループ会社のビル管理業務にとどまらず、一般の顧客を対象としたオフィスやマンションを手掛けてきた。

昨年の売上高構成を見ると、Daigasグループ関連が2割、その他が8割であり、現在はグループ外を顧客とする事業がメインとなっている。

2000年代以降は関西圏だけでなく、首都圏にも進出。新規に取得した用地に賃貸マンション「アーバネックス」と分譲マンション「シーンズ」を展開する。賃貸マンションの保有数は100棟を超え、取り扱い戸数は6000戸以上。分譲マンションも累計販売数は共同事業での共有戸数を含めると約6700戸に上る。

同社の不動産開発で欠かせないのが、物件の快適性や高級感、サービスといったハイスペックな付加価値の提供だ。住まいに関するきめ細やかなアンケートを実施するなど、些細な「気づき」や「ニーズ」を大切にし、商品企画に生かしている。特に、分譲マンションについては、入居後の顧客に対して、個別に新居の暮らしや物件の快適性などのヒアリングを行い、その結果を後の開発に反映してきた。これが奏功し、多くの顧客を獲得してきた。

近年はSDGsやカーボンニュートラルなど、環境を意識した建物づくりが社会的な要請として高まっており、不動産開発にもそうした要素を取り入れることが求められている。 経営企画部の新村隆浩副課長は「顧客のニーズ以外に、社会課題への対応が求められてきたのはここ数年の新たな展開だ。分譲マンションのシーンズでは22年4月以降、ZEHオリエンテッドを標準採用している。家庭用燃料電池『エネファーム』も採用し、創エネもできる特長をさらに生かしたい」と話す。

賃貸マンション「アーバネックス文京本郷」

首都圏の開発にも注力 独自サービスも展開

賃貸マンションでは、人口が多い首都圏にも注力している。「関西圏で蓄積してきた建設や改修工事、お客さまへのサービスなどのノウハウを生かした都市型住宅を拡大展開している」(新村氏)。

関西地区の一部賃貸マンションでは「スマモル賃貸」などグループ各社のサービスを合わせて提供する。スマモル賃貸は、スマートロック「bitlock LITE」や警備員駆けつけサービス、優待・割引サービスがセットになった、集合住宅専用の電気料金プランだ。

オフィスなど法人向けの代表的な物件では、大阪ガス京都工場跡地の京都リサーチパーク(京都市)がある。地域の大学・研究機関や産業界、行政機関、国内外のリサーチパークと連携した経営支援や新産業創出支援などを行う研究開発拠点で、15棟を賃貸物件として保有している。

このほか、物流分野など成長分野への参画や、海外事業への着手の検討なども行う。直近では資産効率向上に向けて私募REIT事業を開始した。こうした施策によりさらなる成長を目指している。