脱炭素事業の先行5社が集結 新潟発の多彩なプロジェクトを紹介

2024年10月6日

立地環境の魅力向上で県外企業の誘致促進に力

【インタビュー】川島俊哉/新潟県産業労働部創業・イノベーション推進課長

―全国に誇るエネルギーインフラの優位性について教えて下さい。

川島 日本海沿岸のほぼ中央に位置する新潟港が「国際拠点港湾」として指定を受けているほか、同港と直江津港がLNGの受け入れと供給を担う重要な拠点港として機能しています。原油や天然ガスの産出量で日本一を誇る県内には「油ガス田」などのエネルギー関連施設が集中しているほか、各地にガスを送るパイプライン網も充実しています。限られたエリアにこれだけのエネルギーインフラが集積していることが強みで、コストを抑えながら低炭素の燃料を発電や化学産業などに有効利用できるようになります。

新潟県と関東経済産業局は、こうした優位性を生かして政府が目指す「50年のCN実現」に貢献しようと、21年1月に「新潟カーボンニュートラル拠点化・水素利活用促進協議会」を設立しました。同じ年の3月には、「新潟県カーボンニュートラル産業ビジョン」と「事業モデル展開ロードマップ」を策定し、新潟発のカーボンニュートラル産業を創造するための方向性を明示したところです。

―CN事業が新潟経済にもたらす効果は。

川島 シンポジウムに登壇した5社をはじめとする関係各社の協力で、CCSや水素供給網などの整備が進めば、そうした基盤をパイプライン経由で周辺の中小企業も共用して自社の脱炭素化につなげることができます。

こうした環境は立地競争力の向上にもつながり、県外からの企業誘致を有利に進めやすくなります。結果的に新潟発のCN需要が拡大することを期待しています。

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