【特集2】地域課題を解決に導く立役者 独自戦略で住民との接点拡大
エネ基の電源構成に注目 中小を踏まえた施策を期待
―最後に、政策への要望やガス大手への期待について聞かせください。
緑川 ガス会社に限らず、電力会社も含めてLNG取引でリードしてもらいたいです。また、都市ガス会社はe―メタンを進める方向で一本化しています。この分野への電力会社の参入がほとんど見られないので、今後の方針が明確になればと思っています。次期エネルギー基本計画については、再生可能エネルギーと原子力の割合について、実現性のある計画を作成してほしいと考えています。
小出 地産地消のエネルギー計画を進めていく際、東京ガスのように、DX(デジタルトランスフォーメーション)などの新しいことを進めている事業者にはいろいろと教えてほしいです。 今年2月には、広報と人事を一体化した広報人財部を立ち上げました。一般のお客さまの中には、「ガスは環境に悪い」という認識の人も多数います。天然ガスのことを知ってもらい、イメージ改善のブランディング戦略を本気で進めたいです。
澤田 ぽつんとある離島のような釜石ガスに、LNGを輸送するのは大変です。今後、e―メタンのような次世代燃料の供給が可能なのかが不安です。大手には、中小企業のことまで考えた施策をぜひ考えてほしいと思います。
こいで・かおる 京葉ガスで経理、企画、営業などを歴任後、2008年に越後天然ガス入社。供給部、専務取締役を経て12年から現職。
さわだ・たつあき 1988年入社。総務部長、営業部長、常務取締役を経て2023年から現職。釜石商工会議所常議員などを務める。
みどりかわ・あきお 1981年入社。技術部長、地域営業部長、2010年取締役供給・技術部長などを経て、18年3月から現職。