【インフォメーション】エネルギー企業・団体の最新動向(2024年11月号)
【トヨタ自動車/持ち運べる水素タンクをモビリティーショーに出展】
トヨタ自動車は、10月に幕張メッセ(千葉市美浜区)で開かれた日本自動車工業会主催の企業向け展示会「ジャパンモビリティショービズウィーク2024」で、水素を持ち運べる「ポータブル水素カートリッジ」を国内で初めて公開した。脱着可能な小型の水素タンクで、人の手で簡単に持ち運べるようにした。トヨタが燃料電池車の開発で培った技術を生かしたもので、発電に利用したり調理で使用したりできる。さらに同展示会では、ガス機器メーカーのリンナイと共同開発した「水素調理器」を披露するなど、カーボンニュートラル社会を見据えた最新技術の可能性も示し、来場者の注目を集めた。
【京セラコミュニケーションシステム/再エネで常時運用のデータセンターが石狩に開所】
京セラコミュニケーションシステムは、北海道石狩市で建設を進めていた「ゼロエミッション・データセンター 石狩」を10月に開所した。近隣に設けた同社所有の太陽光発電に、グリーンパワーインベストメントが運営する石狩湾新港洋上風力発電所の電力を組み合わせ、これらの再エネ電源でデータセンターを常時運用する。再エネ100%での運用は国内では初めて。蓄電池とAI技術で電力需給を制御する仕組みや電力需要のタイムシフトにより、時間単位で再エネ電力をマッチングさせるという。敷地面積は約1万5000㎡で、400ラックを備える。受電容量は2000~3000kW。
【太陽光発電協会/ソーラーウィークでケーブル盗難対策など解説】
太陽光発電協会は11月6日から15日まで、「ソーラーウィーク2024」をリアルとオンラインのハイブリッド形式で開く。太陽光発電が未来に利益をもたらす自立したエネルギーとなることを目指し、関係者が多様な課題や解決策を考える場となる。見どころの一つが、14日に行われる太陽光ケーブルの盗難対策に関するオンラインセミナーで、保険会社や警備会社、金属リサイクル事業者などの立場から対策の最新動向を解説する。さらに期間中には、「2040年主力電源への道筋」をテーマとするシンポジウムや「ソーラーウィーク大賞」の表彰式なども開催する。
【気候変動・省エネルギー行動会議/省エネ行動変容の事例や研究成果を発表】
省エネ行動などを促す事例や研究成果が集まるシンポジウム「気候変動・省エネルギー行動会議」が今夏に都内で開かれた。studio-Lの山崎亮代表が「気候変動×コミュニティデザイン:持続可能なまちづくり」をテーマに講演したほか、芝浦工業大学大学院が集合住宅における電力負荷平準化に関する研究を紹介。日立製作所や東京ガスなども発表した。
【伊藤忠エネクスホームライフ/事業強化に向け伊藤忠系LPガス販社が経営統合】
伊藤忠エネクスは100%子会社でLPガス販売を手掛ける4社を経営統合し、新会社の伊藤忠エネクスホームライフに集約した。これまで北海道、東北、西日本、四国の4地域に販売子会社を設けていたが、今後は各エリアに4つの支社を置く。「人口減少の中、全国の顧客・販売基盤の維持拡大が大きな課題。統合によって事業を強化する」(広報部)という。
【マクニカ/鉛利用蓄電池システムの受注を開始予定】
マクニカはサーキュラー蓄電ソリューションと共同で、鉛を用いた家庭向け蓄電池システム「soldam」を開発し、今秋にも受注を始める。容量は7.2kW時で、ほぼ100%リサイクル可能。一般のリチウムイオン電池と同程度の耐用年数で、価格をリチウム電池の約3分の1に抑えた。電池の消耗が早まらないよう充電や放電の状態を監視できることも特徴だ。