【特集2】創業の地にマイクログリッド構築 有事の際もエネ安定供給を実現

2025年1月3日

港湾の重要施設に届ける エリア内電力を3日維持

これらの発表を受けて、同エリアでは太陽光発電を25年上期に導入し、PPA(電力購入契約)供給を開始。蓄電池は25年上期から工事を行い、26年上期から運用を開始する。また、マイクログリッドの構築により、日の出エリアにある24時間365日稼働し港湾の航行支援を行う「船舶情報センター」や「静岡県清水港管理局」など、行政施設が入ったビルに有事の際にも再エネや蓄電池を活用し電力を供給する。

松永剛GX企画部長は「蓄電池はエリア内に3日間電力供給を行える。重要施設にエネルギーを供給できるようにしたい。同港は年間100隻程度のクルーズ船が寄港するため、海外からの観光客が多く立ち寄る場所でもある。『CNの港』というのは環境意識の高い海外からの観光客にもアピールにつながる」と考えている。

同エリアは海洋文化施設や歴史的石造倉庫群の活用などの計画があるなど、観光客の集来も見込まれるという。「同地は鈴与の創業の地でもある。この地域を起点に清水港、静岡市のCNを手掛けられるように取り組みたい」とも松永氏は語る。

港湾はあらゆる人や物が行き交う場所。そうした活気のある場所でのCNへの取り組みは他の地域にも良い影響が波及していきそうだ。

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