【特集2】工場内で革新的エネ利用を促進 ガス関連子会社と強力タッグ

2025年1月3日

日産リーフを生かす 30kWの高出力制御

車両は、伊藤忠工業ガスが営業車としてリース導入した日産自動車のEV「リーフ」1台を活用。EV向け充放電器は、リチウムイオンバッテリー関連の技術開発やシステム設計を手掛けるアイケイエス、エネルギーマネジメント技術を構築するエナジー・ソリューションズ、エネクスが共同開発した。

このEV向け充放電器はEVとつながっている場合、次のような制御を行う。余剰電力が発生するタイミングを検知すると、EV向けに充電する。一方で、特に夏場において電力会社(エネクス側)との契約電力を超えそうなタイミングが訪れるとEVから放電し、工場内需要の足しにする。これらの一連のフローを自動的に制御する。

今回採用した日産リーフのバッテリーは、60 kW時の能力を持ち、30 kWの高出力タイプだ。10 kW以下の充放電システムは数多く存在するが、実証では30 kWという高出力の制御を行う。

エネクスグループでは、多様な運転パターンを試しながらEVの有効活用を見極める考えだ。さらにEVの導入台数を増やすことも視野に入れ、再エネ自家消費を拡大するための工場における最適なエネルギーシステムの構築を目指す。

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