【特集2】将来の水素の可能性と課題を議論 体験型プログラムで理解を深める

2025年3月3日

【東京都】

空港臨海エリアは、水素の潜在的な需要が高く見込まれている。
東京都はこのほど、羽田エリアで体験・交流イベントを行った。

東京都は、「羽田みんなのみらい 水素エネルギー展」を1月31日~2月2日に開催した。初日には事業者向けの企画を羽田イノベーションシティで行い、29事業者が出展し、来場者数は255人に上った。講演やパネル展示のほか、水素船や水素バスで水素利用の現場を見学するツアーも実施した。

開会式では、東京大学先端科学研究所センターの河野龍興教授が基調講演に登壇。カーボンニュートラルとエネルギーセキュリティについて「世界情勢も見据えて、中長期的にどのように国際連携ができるかを意識している」と述べた。
ステージでは旭化成、川崎重工業、NEDO、東京都の事例の紹介のほか、大田区、川崎市などのブースやパネル出展があった。

別室では水素バイクなどの展示のほか、パネルディスカッションと名刺交換会も実施。各社が水素モビリティ、水素エネルギーの需要拡大や利活用推進に向けた取り組みなどを発表し、活発な意見交換を行った。中でも、H2&DX社会研究所が行う「水素燃料電池コンサート」や「水素コンロ」を導入した箱根の温泉旅館の事例は多くの聴衆の関心を引いた。その後の名刺交換会では、パネリストと参加者たちが交流を深めた。

屋外には、水素発電機、小型トラック、水素を用いたジェットヒーターを展示。水素焙煎コーヒーの試飲や水素コンロによる東京シャモの試食もあり、参加者はひと味違うコーヒーと焼き鳥を楽しんだ。

ペダルを漕いで発電に挑戦 楽しみながら学べる展示が充実

2月1~2日には、一般向けのイベントを羽田イノベーションシティと羽田空港第2ターミナルで開催。24事業者が出展し、3368人が来場した。子どもを対象にしたクイズショーやサイエンスライブ、実験教室、ゲーム大会などが行われた。ゲーム大会は、水素遊具のペダルをこぎ、決められた時間内に指定された量の発電ができればゲームクリアというもの。親子やきょうだいで参加した子どもたちで盛り上がりを見せた。

第2ターミナルのスカイデッキには、水素について学べるパネルも展示されており、来場者は興味深そうに眺めていた。

水素を楽しく学ぶ機会を設けた