【特集2】日米首脳会談での言及を評価 価格上昇を見極めた政策を
CN実現に向けてバイオエタノールが果たす役割は大きい。
必要となる施策などについて、山際大志郎衆議院議員に聞いた。
インタビュー:山際 大志郎(自民党 総合エネルギー戦略調査会 幹事長)
―第7次エネルギー基本計画には、バイオエタノールの導入拡大を通じて一部地域で最大濃度10%の低炭素ガソリンの供給を開始すると明記されました。
山際 日本のCO2排出量の2割弱を占める運輸部門での取り組み抜きにして、カーボンニュートラル(CN)は実現できません。自動車分野で内燃機関を使用する際のCO2排出量を抑えるには、燃料をCN化するか、エンジンの性能を上げるしかありません。前者については最終的に合成燃料(eフューエル)の導入が期待されますが、スケールメリットを得るまでには時間がかかります。この点、バイオエタノールには相当なポテンシャルがあると思っています。比較的早期に導入できますし、実際に海外では日本車がガソリンにバイオエタノールを混合したE10を燃料として走っています。ブラジルではE30を義務化する話も出ているほどです。
―航空燃料はいかがですか。
山際 ICAO(国際民間航空機関)は、2020年以降に総排出量を増加させないという目標を立てています。ベースラインを超えると航空会社は炭素クレジットで相殺する必要があり、日本は30年までに10%をSAF(持続可能な航空燃料)に置き換える目標を設定しています。バイオエタノールはSAFの原料の主役となるでしょう。
―日本は輸入に頼ることになります。
山際 輸入先は基本的に、アメリカとブラジルの2カ国です。必要な量を安定的に輸出してもらうには、政府間での意思疎通が欠かせません。2月の日米首脳会談の共同記者会見で石破茂首相が「バイオエタノールは日本にとっての利益になる」と言及したことは評価できます。輸出側から見れば、日本市場は低炭素ガソリンやSAFの導入目標を提示したことで需要の予見性が高まっています。アメリカには輸出のポテンシャルがあり、安定供給先として大いに期待しています。
―活用に向けて政府に望むことは。
山際 日本でE10を導入するには、フレックス燃料対応車の普及やSS(サービスステーション)の設備改修などが必要になります。切り替えの促進には、補助金や減税、規制強化などを柔軟に遅滞なく実施することが重要です。また、われわれ政治家は政府よりも消費者の近くにいるので、しっかりとアンテナを張り、必要な施策を政府に要望します。価格上昇がどの程度許容されるかを見極めながら政策を実行すれば、バイオエタノールのポテンシャルを生かせるでしょう。
