次世代技術が一堂に 商談活況で実用化に期待
【スマートエネルギーWEEK】
世界最大級のエネルギー総合展示会「スマートエネルギーWEEK春2025」(RX Japan主催)が2月19~21日、東京ビックサイトで開かれた。世界各国から人と情報が集まる大型イベントで、エネルギービジネスを加速させる展示会として業界で定評がある。3日間で約7万人が来場した。
23回目となる今回は「水素・燃料電池展」「太陽光発電展」「二次電池展」「スマートグリッド展」「風力発電展」「バイオマス展」「ゼロエミッション火力発EXPO」の7エリアで構成。特別企画として、ペロブスカイトなどの最先端太陽電池に特化し展示する「建材一体型太陽光発電ワールド」を設けた。

提供:SMART ENERGY WEEK
最先端蓄電池に高い関心 安全面の課題にも対応
産業用・住宅用それぞれの最先端蓄電池を展示したファーウェイのブースには、多くの来場者が詰め掛けていた。中でも注目されていたのが、中規模産業用「LUNA2000―215―2S11」だ。環境温度の違いに応じて水冷、空冷、廃熱の利用を最適化する「ハイブリッド冷却蓄電システム」を新たに搭載。高温時には水冷・空冷モジュールが同時に稼働することでセルの急速冷凍を行い、低温時には廃熱を利用し消費電力を抑える。これにより、トータルで30%以上の消費電力を抑えることができる。
その横のブースでは、電池パックの容量を拡大した住宅用蓄電池「LUNA2000―7/14/21―NHS1」が存在感を放っていた。
従来型の5kW時から7kW時に容量を増やした電池パックを連結することで、7、14、21kW時とシーンに合わせた利用が可能となる。火災時に消化ガスを噴出し沈下するモジュールを採用。火災リスクを低減する燃焼防止機能を搭載するなど、安全面も高めている。
同時開催された脱炭素経営EXPOでは、京セラコミュニケーションシステムが昨年10月に開所したゼロエミッション・データセンター石狩(ZED)を紹介していた。建設地である北海道石狩市の良好な風況と広大な土地を活用して製造した再エネ由来の電気を独自の電力需給制御システムで管理することで、24時間再エネのみで稼働する。ブースには各種ディスプレイやジオラマなどを設置し、同DCの特徴をアピールしていた
次世代技術が一堂に会したイベント会場では、ほかにもさまざまな企業が、自社が誇る最先端技術を展示。来場者が出展者の説明に熱心に耳を傾ける様子が各所で見られた。脱炭素社会の実現へ、新たなビジネスチャンス創出への期待がかかる。