【現地ルポ/4月23日】下北の原子燃料サイクル施設〈前編〉 使用済み燃料を中間貯蔵するRFSを特別取材

2025年4月23日

厳重な警備体制の下、安全対策を徹底

現場を見て感じたのは、安全への深い配慮だ。米国など一部の国では危険性が少ないとして、使用済み燃料は金属製キャスクの中に入れられ、外に放置されているところもある。RFSでは厳重な管理を行い、地震や津波などの災害対策も施された堅牢な建物でキャスクを守る。安全保持のために詳細は控えるが、厳重な警備体制の上で入構が管理されおり、さまざまチェックを受けなければならない。そのこともあって事務棟から貯蔵建屋に入るまで相当な時間を要した。視察などの場合、一度に入構できる人数も制限されている。安全対策については、日本の原子力事業者、規制当局とも相当真剣に取り組んでいるように思える。

リサイクル燃料備蓄センターのイメージ図(RFS提供)

RFS施設は、横62m、縦131m、高さ28mの分厚い鉄筋コンクリート製の建物だ。ここに国の許可の上ではウラン3000t分の貯蔵が可能だ。キャスクに換算すれば、288基程度が設置できる設計になっている。さらに横の敷地には2棟目(2000t分)の建設も予定されている。最終的な貯蔵容量は計5000t(東電HD分4000t程度、原電分1000t程度)だ。

施設内の広大な空間。保管場所は6ブロックに分かれている

金属キャスクは微かに熱を持つ。温められた空気が上昇する性質を利用し、その温度差を使った空気の自然対流で、施設内に風が流れ続ける仕組みになっている。このため冷却に電気は必要なく、大規模災害で電源喪失による事故が起きることはない。

壁面にある給気口(上)と天井にある排気口(下)。電力を一切使わない自然冷却だ

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